【計画変更】青山よ…サラバだっ! ホンダが東京・八重洲地区への本社移転を発表

【計画変更】青山よ…サラバだっ! ホンダが東京・八重洲地区への本社移転を発表

ホンダは
2029年中に本社機能を東京・八重洲地区再開発エリアの高層オフィスフロアへ移転するとともに、ホンダ青山ビルの所有権の一部を三井不動産レジデンシャルへ譲渡することを発表した。元々は青山ビルを建て替える前提で進んでいた計画を大幅に変更し、本社機能そのものを八重洲へ移転することになる。

 
文/Webikeプラス編集部
 

八重洲移転計画発動! フロア面積爆増で業務改善を目指す

東京・青山のホンダ青山ビルは1985年の落成から40年以上が経過しており、新たなビルへの建て替えを2023年9月に決定。2030年度の完成を目標に準備を進めるとしていた。

しかし現在、本社の仮移転先である虎ノ門で多くの従業員がワンフロアで働くスタイルを導入したところ、従業員同士の結びつきが強まるとともに多様な人材が集まり、さまざまなイノベーションのアイデアが生まれつつあることを実感したという。
ホンダのイノベーションの源泉は「ワイガヤ」と呼ばれる、
個人が役割を超えて徹底的にお互いの意見をぶつけ合うコミュニケーション文化にあるのはよく知られている。

これらを踏まえ、本社機能のあるべき姿を再検討した結果、1960年から1974年まで本社機能を担っていた八重洲ビルの跡地を含む、八重洲エリアへの本社機能移転が最適という結論に至ったのだという。

八重洲エリアにオフィスを構えた場合、1フロアあたりの面積は青山ビルの約6.8倍、虎ノ門の仮オフィスに比べても約1.8倍となり、さまざまな領域の従業員が集まり働くことができる。これを通じて、さらなる生産性向上や新たな価値の創出を目指すという。

ちなみに八重洲はホンダが東京進出を果たした地であり、世界に向けてチャレンジし続け、現在の礎を築いたゆかりのある場所。東京駅に近接する交通利便性の高さや、最先端の技術や情報が集積するグローバルでも有数のオフィス街という利点を活かし、ホンダのさらなる発展が期待される。



ホンダが移転を予定する八重洲再開発エリア(八重洲二丁目中地区) の外観イメージ。ホンダの新本社はこのような高層オフィスビルに収まる予定だ。

 
 
 

青山はブランド発信の新たな拠点に

この決定を受け、1985年から約40年間、ホンダ本社として親しまれた青山ビルは、建物および土地の所有権の一部を三井不動産レジデンシャルへ譲渡することになった。これはビル設計の考え方や、現在のホンダを取り巻く事業環境などを総合的に踏まえた判断とのこと。

とはいえ、青山はホンダとしても想い入れの深い場所。譲渡後はホンダと三井不動産レジデンシャルが共同で建て替えを行い、その建物内の一部フロアをホンダが使い、ブランド価値向上の新たな拠点として活用する予定だという。多くのファンに親しまれた、ホンダウエルカムプラザ青山のような場所が再び生まれることを期待したい。



約40年間、ホンダ本社として親しまれた青山ビル。1階のホンダウエルカムプラザ青山を訪れた人も多いはず。地下3階には「宗一郎の水」と呼ばれる巨大ヒバ樽があり、非常用も兼ねて飲料水を貯蔵。オフィスビルには珍しいベランダの設置も、創業者の本田宗一郎が窓ガラスが階下へ落下しないように指示したから…という逸話を持つ。

 

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