1960～70年代に北米で爆売れ！ カワサキの名車「Z1」「W1」「H1」「J1」とは？

　1953年に2輪車用エンジンの第1号機「KE-1」を発売して以来、多くの名車たちを世に送り出してきたカワサキ。特に1960〜70年代には、他メーカーを圧倒するほどの高性能なモデルを次々と輩出し、日本はもちろん、当時から大きなマーケットだった北米市場でも大きな支持を獲得したことはよく知られています。ここでは、そんなカワサキ往年の名車のなかでも、1960～1970年代に日本や北米などで大ヒットした4機種をピックアップ。「Z1」「W1」「H1」「J1」といったモデルたちを紹介します。

「Z1」1972年

　1972年に登場した「900スーパー4」は、型式名の「Z1（ゼットワン）」を愛称に持つ名車。2017年の登場以来、大型バイクとしては異例の大ヒットを続けている人気モデル「Z900RS」の元祖となっていることもあり、いまだに多くのファンから支持されているモデルです。

カワサキ・900スーパー4（通称Z1）

　登場した当時は、世界的に大排気量＆ハイパワーなモデルが人気だった時代です。特に1969年にホンダが発売した「CB750フォア」は、市販車初の空冷並列4気筒エンジンを搭載し、かなりの高性能ぶりを発揮したことで大ヒットします。

ホンダ・CB750フォア

　そして、そんな時代にカワサキが投入した世界戦略車がZ1でした。搭載するエンジンは、900cc・空冷並列4気筒で、最高出力82PSという当時としてはかなりのハイパワーを発揮。また、ティアドロップ型の燃料タンクなどによる流麗なフォルムも人気で、現行モデルの「Z900RS/SE」にもそのテイストが受け継がれています。

カワサキ・Z900RS

　登場から50年以上が経った今でも、そのスタイルやイメージがZ900RSに継承され、色あせることなく輝き続けている。そういった意味で、Z1はまさに「カワサキ伝説の1台」と呼ぶに相応しいモデルといえるでしょう。

「W1」1966年

　1966年に発売された「650-W1」も、当時のカワサキ北米市場向け戦略機種で、今でも型式名の「W1（ダブワン）」の呼び名で愛されている名車です。

カワサキ・650-W1（通称W1）

　このモデルは、当時の最大排気量である624ccの空冷並列2気筒エンジン、通称バーチカルツインを搭載。その高性能な走りが話題となり、日本や北米などを中心に、世界的に大ヒットを記録しました。

　そのスタイルはもちろん、伝統のバーチカルツインなどは、現在も773ccエンジン搭載のネオレトロモデル「W800」が継承。兄弟車「メグロK3」と共に、多くのファンに支持されています。また、2024年には、Wブランドの新型として、232cc・空冷単気筒を搭載する「W230」も登場。同じく兄弟車となる「メグロS1」と共に、カワサキ往年の名車をオマージュしたモデル群を形成しており、幅広いユーザーから人気を得ています。

W1の血統を受け継ぐカワサキ・W800

Ｗブランドの軽二輪モデルがカワサキ・W230

W800の兄弟車メグロK3

W230の兄弟車メグロS1

「H1」1969年

　型式名の「H1（エッチワン）」を通称に持つのが、1969年に発売された「500SSマッハⅢ」です。

カワサキ・500SSマッハⅢ（通称H1）

　このモデルは、500ccの空冷2ストローク3気筒エンジンを搭載したスポーツモデルで、その猛烈な加速力から「じゃじゃ馬」という愛称でも親しまれました。

　カワサキでは、このモデルの成功により、その後、250cc版や350cc版、750cc版など、さまざまな排気量のモデルをリリースしシリーズ化。いずれも、数多くの伝説を生み出し、世界中のライダーを虜にしました。

　とくに、1971年に登場した750cc版「750SSマッハⅣ」は、当時「H2（エッチツー）」の愛称で人気があったモデルです。その名称は、現在も998cc4気筒のスーパーチャージドエンジンを搭載する「H2」シリーズに継承。高級ツアラーの「ニンジャH2 SX SE」やストリートファイターの「Z H2/SE」など、カワサキ製スポーツモデルの頂点として現在も君臨し続けています。

カワサキ・Z H2 SE

カワサキ・ニンジャH2 SX SE

「J1」1964年

　1964年に登場した「J1（ジェイワン）」は、85ccの2ストロークエンジンを搭載した小型モデルです。

カワサキ・J1

　販売は、川崎重工業（現在のカワサキモータース親会社）と合併する前の川崎航空機（現在の川崎重工業航空宇宙システムカンパニー）が担当。この会社は、戦前に戦闘機なども手掛けていたそうですから、J1にも航空機で培った技術が投入されたかもしれませんね。

　特徴は、当時の最新技術だったロータリーディスクバルブ吸入方式を採用していたこと。軽くてハイパワーな2ストロークエンジンのなかでも、特に優れた出力を生み出すことで知られていた方式です。当時、カワサキには「高性能マシン」と呼べる機種がなかったのですが、この技術の投入や性能が大きな話題に。また、その後、多くのカワサキ製2ストロークマシンに採用されることになりました。

　残念ながら、2ストロークモデルは、排気ガス規制などの影響で絶滅の一途をたどっているため、J1の後継といえるモデルは現在存在しません。ですが、先に紹介したH1やH2など、その後のカワサキ製2ストロークバイクの礎を築いたという点では、やはり名車の1台に挙げるべき1台だといえるでしょう。

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/487728/

1960～70年代に北米で爆売れ！ カワサキの名車「Z1」「W1」「H1」「J1」とは？【画像ギャラリー】
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