警察庁が、2026年上半期(1月〜6月)の交通違反取締りに関するデータを公表しました。それによると、2輪車、4輪車を問わず、道路交通法違反の取締り件数は全体で231万2344件。前年同期比で13万3600件の減少となりましたが、それでも1日あたり約1万2800件の交通取締りが行われたことになります。
では、実際にどんな違反が多く、とくにライダーはどういった点に注意すべきなのでしょうか。本記事では、検挙数の多い違反トップ5とともに、具体的な事例や対処法を紹介します。
第1位「一時不停止」(53万5962件)
ここで紹介する取り締まり件数は、警察庁が発表した「令和8年(2026年)上半期における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」というデータ内にある「告知・送致件数」を基にしています。
それによると、検挙数が最多だったのは53万5962件の「一時不停止」です。
この違反は、信号のない交差点に設置された「止まれ」の標識や停止線、踏切の手前など、法律で一時停止が義務づけられている場所で停止しなかった場合の違反行為です。とくに、停止位置となる停止線の直前で止まらず、そのまま越えてしまうことで違反となるケースも多いようです。
また、バイクの場合で気をつけたいのが、足をしっかりと地面に着けて完全に停止しないと、違反とみなされる場合があることです。停止線の手前で足をちょんちょんと着きながら進むケースや、バランスを取って足を着かずに停止するようなケースも見られますが、これらはいずれも違反と判断される可能性があります。
なお、もし一時停止違反で捕まると、バイクの場合は以下の罰則を科せられます。
【指定場所一時不停止等違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車6000円、原付5000円
・違反点数:2点
【踏切不停止等違反(バイクの場合)】
・反則金:二輪車7000円、原付6000円
・違反点数:2点
第2位「最高速度違反(スピード違反)」(38万1066件)
2026年上半期の交通取締り件数のワースト2位は、検挙数38万1066件の「最高速度違反」、いわゆるスピード違反です。
警察庁では、さらに超過した速度別の検挙件数も以下のように公表しています。
【超過速度別の検挙件数(2026年上半期)】
・50km/h以上:5473件
・30km/h以上50km/h未満:4万4902件
・25km/h以上30km/h未満:8万7707件
・20km/h以上25km/h未満:12万1851件
・15km/h以上20km/h未満:12万1114件
・15km/h未満:19件
上記を見ると15km/h以上20km/h未満、20km/h以上25km/h未満の速度超過がいずれも12万件を超えており、検挙されやすい傾向にあることが分かります。
基本的に、公道における最高速度は、道路標識などによる指定がない場合、一般道路では60km/h(原付は30km/h)、高速道路では100km/hです。また、2026年9月1日から、中央線などがない生活道路では法定速度が原則30km/hに変更されています。
ただし、一般道では、国道などの幹線道路を除けば50km/h以下に制限されていることも多いので注意しましょう。また、高速道路でも、一部で120km/hの区間がある一方、80km/hや70km/hなど、100km/h以下に制限されている場所もあるため、こちらも十分に気をつけたいものです。
なお、速度超過の罰則は以下の通りです。
【スピード違反の罰則(バイクの場合)】
・超過速度15km/h未満→反則金:二輪車7000円・原付6000円/違反点数1点
・超過速度15km/h以上20km/h未満→反則金:二輪車9000円・原付7000円/違反点数1点
・超過速度20km/h以上25km/h未満→反則金:二輪車1万2000円・原付1万円/違反点数2点
・超過速度25km/h以上30km/h未満→反則金:二輪車1万5000円・原付1万2000円/違反点数3点
・超過速度30km/h以上(一般道)→二輪車・原付共に赤キップ(刑事罰の対象)/違反点数 50km/h未満6点・50km/h以上12点
・超過速度30km/h以上35km/h未満(高速道路・二輪車の場合)→反則金2万円/違反点数3点
・超過速度35km/h以上40km/h未満(高速道路・二輪車の場合)→反則金3万円/違反点数3点
・超過速度40km/h以上(高速道路・二輪車の場合)→赤キップ(刑事罰の対象)/違反点数 50km/h未満6点・50km/h以上12点
とくに、一般道で30km/hオーバー、高速道路で40km/hオーバーで検挙されると「赤キップ」を切られ、刑事罰の対象となります。いわゆる交通反則通告制度(青キップ)は適用されず、「6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」が科される可能性があるのです。通常は、簡易裁判所での略式手続きにより罰金が科されますが、罰金を支払って刑事手続きが終わっても、前科がつくことになります。
さらに、刑事処分とは別に、公安委員会による行政処分も科されます。赤キップとなる違反は基本的に6点以上となるため、一発で免許停止、もしくは免許取り消しの対象となるのです。
たとえば前歴がない場合でも、過去3年間の累積違反点数に応じて、免許停止期間は以下のように定められています。
【違反点数による免許停止の期間(前歴がない場合)】
・6~8点:30日間免停
・9~11点:60日間免停
・12~14点:90日間免停
なお、15点以上は、さらに重い「免許取り消し」処分が科せられます(点数により取り消し年数は変わる)。
第3位「通行禁止違反」(23万3840件)
第3位となったのは「通行禁止違反」で、検挙数は23万3840件でした。この違反に関連し、とくにバイクで注意したいのが「二輪車通行禁止区間」です。
日本国内の道路には、クルマ(四輪車)は通行できても、バイク(二輪車)が通行できない区間はけっこうあります。ツーリング先で二輪車の通行が規制された道路や橋、トンネルなどに遭遇し、遠回りしなければならなかったり、目的地にたどり着けなかったという経験を持つ人もいるでしょう。
通常、通行できない区間の手前には「二輪車通行禁止」の標識がありますが、うっかり見落としてしまったり、前のクルマについていって気づかずに侵入してしまい、取り締まりを受けてしまうケースも考えられます。
やっかいなのは、二輪車通行禁止の規制対象が場所によって異なることです。原付のみ、125cc以下、特定の排気量以下、すべての二輪車など、規制の内容はさまざまです。場所や区間などにより規制される排気量などが異なるため、傾向がつかみづらく、うっかり間違って入りこむ危険性は高いといえます。
とくに、都市部のオーバーパスやアンダーパス、観光スポットにある橋などには二輪車通行禁止の区間が多いので、これらを通る場合は十分に注意しましょう。
なお、通行禁止違反で捕まると以下の罰則を科せられます。
【通行禁止違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車6000円、原付5000円
・違反点数:2点
第4位「信号無視」(17万9427件)
第4位は17万9427件で「信号無視違反」。ご存じの通り、信号機の色は、「青(進め)」「黄(注意)」「赤(止まれ)」。また、点滅の場合は「赤点滅=一時停止後に進む」、「黄点滅=注意して進む」という異なる意味になります。
この違反で最も典型的なのが、「赤」で停止線の手前で停まらず超えてしまうことです。
一方、判断が分かれるのが、黄色の時です。基本的に、黄色では次に変わる赤に備え、注意しながら停まる行動を取り始めるのが正解。ただし、「急ブレーキでないと止まれないとき」「停止すると後ろから追突されそうなとき」には、黄色でも交差点を通過していいことになっています。
信号機が黄色のときは、こうしたグレー領域があるため、なかには、黄色になると加速するドライバーやライダーもいますが、危険な行為なので絶対にやめるべきです。とくに、交差点内は事故が多発しやすいエリア。何が起こるかわかりません。いつでも止まれるよう、つねに余裕を持った運転を心がけましょう。
【信号無視違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:(赤色等)二輪車7000円、原付6000円/(点滅)二輪車6000円、原付5000円
・違反点数:2点
第5位「歩行者妨害」(14万7621件)
2026年上半期の交通取締り件数ワースト5位は、14万7621件だった「歩行者妨害」です。
この違反の正式名称は「横断歩行者等妨害等違反」。たとえば、信号機のない横断歩道で、渡ろうとしている歩行者がいるにもかかわらず徐行または一時停止せず、通行を妨げる交通違反のことをいいます。
ご存じの通り、横断歩道は、歩行者が最優先です。歩行者が横断歩道を歩いているときはもちろん、渡ろうとしているときにバイクで横切ると、歩行者妨害の違反に該当します。歩行者までの距離が遠いときはつい横切ってしまいがちですが、横断歩道の手前で停止するか、速度を落として徐行することで、歩行者が通り過ぎるまで待つ必要があります。
また、横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかのクルマを追い越したり、追い抜いたりすることも違反です。横断歩道で歩行者が犠牲となる交通事故が後を絶たない状況もあるため、くれぐれも注意しましょう。
なお、歩行者妨害で検挙されると、以下の罰則を科せられます。
【横断歩行者等妨害等違反の罰則(バイクの場合)】
・反則金:二輪車7000円、原付6000円
・違反点数:2点
警察庁のデータでは、ほかにも「携帯電話使用等」(8万9421件)、「追越し・通行区分違反」(6万2986件)などが、検挙数の多い違反となっています。いずれも重大事故につながるリスクが高い行為です。検挙の有無にかかわらず、日頃からルールを意識し、安全運転を徹底することが重要といえるでしょう。
*写真はすべてイメージです
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/600120/
2026年上半期の違反ワースト5!1位は一時不停止、速度違反で捕まりやすい速度は?【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/600120/600135/








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