【祝・暫定税率廃止】ガソリンが150円台になる! 年末までに17円安くなるも、他の増税で税収減を補うかもって…マジかよ!(怒)

【祝・暫定税率廃止】ガソリンが150円台になる! 年末までに17円安くなるも、他の増税で税収減を補うかもって…マジかよ!(怒)

 与野党6党がガソリン税の「暫定税率」を12月31日までに廃止することで合意。廃止後のガソリン価格はレギュラーで156円程度になる見込みだ。その一方で、新たな財源を確保するために、他の税金を引き上げる恐れも。また「日本のガソリン価格は諸外国に比べて安い」との官僚の声もあるという!?

 
文/沼尾宏明
 

リッター156円程度に! 年間で最大1万1700円の負担減になる

 昨年12月、ガソリン税の「暫定税率」を廃止することで、自民、公明、国民民主の三党が合意したにもかかわらず、その後うやむやになっていた。しかし、ようやく政府が重い腰を上げ、改めて暫定税率の廃止を合意。2025年12月31日までに廃止されることになった。

 これはバイク&クルマユーザーにとって、実に朗報。暫定税率25.1円が廃止され、ガソリンが安くなるのだ。

 ――10月31日、自民、日本維新の会、公明、立憲民主、国民民主、共産の6党の幹部が国会内で協議し、暫定税率の廃止を決定。関連法案を臨時国会で成立させる。

 廃止されればガソリンはいくらになるのか? レギュラーガソリンの全国平均価格は173.5円/L、ハイオクは184.3円/L(2025年10月29日現在 資源エネルギー庁調べ)。リッターあたり10円の補助金が出されているため、価格は15.1円+消費税=17.6円ほど安くなり、レギュラー155.9円/L、ハイオク166.7円になる計算だ。



現在、ガソリンには多くの税金がかけられている。中でも暫定税率は25.1円と高く、しかも消費税まで徴収。税に税をかけているのだ。画像は国民民主党 玉木雄一郎氏Xより。

 ガソリンスタンドの混乱を抑えるため、年末に向けて段階的に補助金を増やし、徐々に価格を下げる予定。なお、軽油にも暫定税率(17.1円/L)が設定され、こちらは2026年4月1日に廃止される。

 これにより2人以上の世帯では、クルマの有無に関わらず年間7600~1万1700円程度の負担減に(第一生命研究所調べ)。自家用車を保有している世帯や、クルマを利用する機会が多い地域の負担はさらに減る。

 例えば最も負担減が小さい東京都では年間2300円程度なのに対し、最も大きい鳥取市では1万1700円程度になる。一般的に自家用車を使う機会が多い地方ではガソリンの支出が多い傾向があるため、今回の暫定税率廃止は主に地方圏における恩恵が大きい。もちろん、長距離を走るバイク&クルマユーザーにもメリット大なのは間違いない。



バイクはクルマに比べて燃費が優秀。しかしガソリン価格が高止まりし、物価が上昇している今、安くなるのはもちろん大歓迎だ。

 
 
 

減税の代わりに増税はNO! そもそも暫定税率は不当な税金だ

 一方で議論になっているのが「代替財源」。暫定税率を廃止した場合、ガソリンで年間1兆円、軽油も含めれば1.5兆円の減収となる。その分の財源を確保するため、他の税金が増税される恐れがあるのだ(!)。

 暫定税率廃止の大きな目的の一つは、物価高騰に対する家計負担を減らすことにある。だが、暫定税率が廃止されたとしても、他の税が引き上げられれば、トータルでの家計負担は減らないはず。自民党は現時点で代替財源の確保を目指していると言われるが、それでは本末転倒だ。

 そもそも名称のとおり“暫定”税率は一時的な税金で、ガソリン税の28.7円に暫定税率25.1円が加算されてきた。これにガソリン自体の価格や消費税10%が加わり、ガソリン税に対しても消費税がかかっている。つまり二重課税で、ガソリンは不当に高かったと言えるのだ。

 また本来、暫定税率は道路の建設や整備の財源不足に対応するため1974年に導入された税金だったが、2009年4月から一般財源=「普通の税金」扱いに。本来の道路整備に使われないにも関わらず、二輪四輪ユーザーから税金として徴収され続けてきた。50年以上にわたる理不尽な課税が廃止され、正常化するのだ。

 日本の税収は過去最高を記録している。代替財源を確保するのではなく、まず国がムダ使いを減らし、賃金や年収が増える政策を実施してほしいものだ。



日本自動車工業会の資料より。JAFが18万9285人に実施したアンケートによると、98%の自動車ユーザーが「クルマの税金に負担を感じる」と回答した。

 
 

日本は世界的に見てもガソリンが安いというデータが。しかし……

 一方で暫定税率廃止を反対する声もある。一部報道によると、経済官庁幹部が「本当にガソリンを安くしなければいけないのか」と話しているという。

 その根拠の一つが、諸外国とのガソリン価格比較のようだ。日本のガソリン小売価格はOECD加盟国で2番目に安いという調査結果が出ている。

財務省が公表したOECD加盟国におけるガソリン価格の比較(2023年第3四半期)によると、調査対象となった35か国中、日本のガソリン小売価格は高い方から34位。つまり2番目に安い。
※OECD(経済協力開発機構)は欧州を中心に日米を含む38か国の先進国が加盟する国際機関



財務省資料より抜粋。大部分のOECD加盟国でガソリン小売価格は200円超となっており、日本より税負担額も大きいが……。

 最も安いアメリカは日本円換算で160円程度。3位がコスタリカだった。逆に高いのはデンマークで、オランダ、フィンランドが続く。これらは300円以上となり、35か国中30か国が200円を超えていた。

 ガソリンの税負担額についても日本は31位(下から5番目)、税負担率は26位(下から10番目)で、世界的に見ても税負担が少ない。

 また、日本、米国、英国、フランス、ドイツにおけるガソリン価格は、税抜きの本体価格に大きな差がなく、各国の税制が小売価格差の原因となっている。



ガソリン価格の国際比較(2024年2月時点)。本体価格はほぼ横並び。税金の多寡で小売価格が決まっており、日本は税負担が一見少なく見える。グラフは経済産業省資源エネルギー庁 「エネルギー白書2024」より抜粋。

 しかし、これらの比較は各国の物価や所得水準を考慮していない。ご存じのとおり、日本は平均賃金や所得が低い傾向にあり、平均年収はOECD加盟国の中でも下の25位。単純にガソリン価格が安いと言えず、暫定税率を維持する根拠とはならないのだ。

暫定税率廃止はカーボンニュートラルに逆行!? それは別の問題では?

 もう一つ、暫定税率廃止を反対する根拠として、カーボンニュートラルの観点もある。

 それは、ガソリンが安くなるとガソリンがより消費され、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「政府の脱炭素化目標に逆風となる」というもの。国立環境研究所の試算では、2026年に暫定税率を廃止した場合、2030年に国内の二酸化炭素(CO2)排出量は610万トン増加するという。

 また、ガソリン価格の値下がりで電気自動車(EV)などエコカーの普及が遅れる恐れもある、とされている。

 しかし、これらと暫定税率廃止はまた別の問題ではなかろうか。脱炭素化やEVの普及に関しては、一足飛びに実現できるわけもなく、新たな政策を打ち出し、長期的に取り組んでいく必要がある(現に欧州でのEVシフトの流れも後退傾向にある)。暫定税率廃止で国民の負担を減らすことと一緒にすべき問題ではないだろう。

 EVに関しては、原材料から廃棄まで含めたトータルでのCO2排出量を考えれば、決して内燃機関より環境負荷が低いとは言えないのが現状だ。

 いずれにせよ「暫定税率廃止」が国民にとって、いいニュースになることを期待したい。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/498229/

ガソリンが150円台になる! 年末までに17円安くなるも、他の増税で税収減を補うかもって…マジかよ!(怒)【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/498229/498233/

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