試運転の繰り返しは「キャブセッティング=燃調キット」で決めよう!!

試運転の繰り返しは「キャブセッティング=燃調キット」で決めよう!!

「出たとこ勝負」で悪い部分を見つけては直し、仕上げ度を高めながら徐々に改善していくのが旧車レストアの手順である。欲しい部品がすべて潤沢に揃う、しかも新品部品で揃う世界ではありませんので、そうしていくのが筋だと考えるべきだろう。ここでは、キースター製燃調キットを使って、キャブセッティングをより良くしていこう と思う。

 

おおよそカタチになった!オフロードバイク黎明期の王様がDT-1 



作業開始前のフレーム診断=フレームの歪み確認に始まり、骨格部品の全塗装、外装部品の全塗装、エンジン腰上のオーバーホールなどなどで、おおよそ仕上がり段階に入っているヤマハ250DT1。実際に走り出してからやることも多い………

旧車&旧車タイプのオフロードバイクに最適なスタンド



ダートフリークがプロデュースするunitブランドのVMX(ビンテージモトクロス)用のリフトアップスタンド。一般モトクロッサー用商品はリフトアップストロークが多いが、この商品はVMXに対応した低いリフト量で使い勝手が良い。



幅が狭い天板仕様で前輪もしくは後輪を地面に付けて、より安定した状況でメンテナンス可能にしたのがVMX用のリフトアップスタンドの特徴だ。ダンパー付きなので、降ろす際もドスンッと落ちずに、ゆっくり作動してくれるのが嬉しい。

キースター製燃調キットで安定のキャブセッティング実践 



キースターから発売されている燃調キットは、燃調=キャブセッティングとオーバーホールを同時に行うことができるパーツ。旧車用バリエーションが豊富でヤマハDT-1用もラインナップされていたので購入。単純なガスケット交換だけでも廉価で嬉しいキットだ。



燃調キットを実際に利用し、キャブセッティング実践してみると理解できるが、ジェットニードルの「ストレート径」サイズが2/100ミリ違うだけで、スロットルレスポンスや実際の走りが全く異なる。旧車エンジンは純正セッティングですべてOKできない。

スロットル開け始めのモッサリ感が気になるので…… 



そもそもモトクロッサー仕様でエアークリーナー無しだったDT1。そのままオーバーホールしたので、このタイミングでキャブセッティングをビシッと決めておきたいと思った。



新車当時から装着されているキャブだと思うが、ピストンバルブ外周に摩耗した痕やキズなど一切無かった。モトクロス専用だったのか、ほとんど乗っていなかったのでは!?



エアークリーナーを取り外していたので、どうやらジェットニードルのクリップ段数でキャブ調整されていた様子だ。まずはクリップ段数の変更からリセッティングの開始。純正ニードルのストレート径も確認しておこう。



純正ニードルでは今ひとつセッティングが決まらないので、燃調キットのニードルに交換して、ストレート径を調整した。ガスを絞る方向=ストレート径を1ランク太くした。

ジェットニードル変更でスロットルレスポンスも走りも良好!!



結果的にはノーマルのジェットセッティングで、燃調キットのワンサイズリーン(薄い=ストレート径が0.02mm太い)なジェットニードルのクリップ中央でベストと判断。



鉄部品は黄色クロメートで再メッキ仕上げの純正キャブ。初期型DT-1はフロートチャンバーのドレンにメインジェットを締め付ける凝った作りでセッティング変更が楽だ。

POINT
 

 

  • フルレストアのポイント・車体やエンジンを完全に分解して、すべての部品を磨き込んで、ペイントして、仕上げたのちに組み立てるだけではなく、走って楽しいバイクでなければレストアとは呼ぶことができない。旧車レストアはキャブセッティングが重要だ。 

 

 仕上がりつつあるDT-1を走らせてくれているバイク仲間から、エンジンの始動性が「悪くなってきた」と連絡があったとき、ポイント接点の汚れ?もしくはコンデンサ?などと想像していた。さらに詳細にお話を伺うと、エンジンが温まると始動性が悪くなり、それこそ鬼キック状態になってしまうそうだ。そんな現状を伺えば、十中八九「イグニッションコイルが終わったかな…」と考えられた。バイク仲間自身が所有するDT-1も、過去に出先で始動性が悪くなり、仲間のガレージでイグニッションコイル交換した経歴があるそうだ。交換後は、何事も起こらず、今でもそのまま走り続けているらしい。さらにお話を伺うと「DT-1用ではなく、他の機種用で、ボルト1本で固定する小さなイグニッションコイルだった」とお話していた。その形状からミニバイク用だろう。

 そこで、DT-1の純正コイルとコイル本体のサイズが近いリプレイス部品に交換すれば、タンクを取り外したときにも「違和感無い仕上がりになるかも?」と思い、ウェブカタログを閲覧した。そんなときに出逢ったのがホンダ4ミニカスタム用で、しかも旧車に多い6V時代の交流コイル(フラマグポイント点火時代のACコイル)だった。数種類あった商品の中から、画像判断で購入して、既報の通り(前回のVol.14)取り付けたことで、好結果を得ることができ、現在も絶好調のようだ。

 電気系が改善されたことで、冷間時も温間時も「始動性問題」は皆無になった。そんな中で走っていると、今度は、キャブセッティングが気になるようになってきた。こんな時に役立つのが、キースター製「燃調キット」である。Webでラインナップを確認すると、初期型DT-1用が販売されていたので購入した。そして、何度かセッティング変更を繰り返し、たどり着いたのがジェットニードルのストレート径をワンランク太くして、スロットル開け始めから中速域までを「やや薄く」するといった方向性だった。このセッティングにしたことで、これまで以上に低速域がスムーズな走りになった。

 プラグの焼けを見ると、実に理想的に感じられる。ネジ座部分が黒く燻ってカブッた状態ではない。おそらく多くの2ストモデルを街乗りで走らせると、そのような状況でアイドリングは安定するはずだ。実は、この素晴らしいプラグの焼けは、ICBM®シリンダーへのアップデート後に得られるようになった。以前は、ネジ座部分が黒く燻ってカブリ気味で、その方がアイドリング領域では安定しているように感じられた。しかし、ICBM®加工後は、このようにキレイな焼け具合になった。コンプレッションが安定したことで、極低速域の吸入掃気からの充填性が向上しているのだと思われる。今回のキャブセッティングでさらなるウミ出しが進んだので、次の機会には「ウインカー点滅問題」も対策してみようと思う。

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/500506/

試運転の繰り返しで「キャブセッティング=燃調キット」で決めよう!!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/500506/500507/

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