軽量な車体に250ccシングル以上のパワーを誇る?
2019年11月時点でのコンセプトモデルは、巡航時のモーター出力が10kW(13.6ps)、最高出力20kW(27.2ps)。車重は219kgだった。バッテリーはCHAdeMo規格による急速充電に対応し、フル充電での航続距離は100kmとの情報だ。
今回披露されたEVのスペックは明らかではないが、以前のコンセプト車より明らかにバッテリーが小さいため、車重に関してはより軽量化が期待できる。その上で航続距離が同等か150km程度まで伸びていれば嬉しい。
また、最高出力27.2psは、レブル250やジクサー250など250cc単気筒と同等。しかし、EVは瞬時にトルクを引き出せるため、ガソリン車におけるスペックの数字より高性能になる傾向がある。また、出力特性を容易に変更できるため、さらに最高出力が向上している可能性もあるだろう。
ハイブリッドはウイングレット付き、モーターのみの走行も可能!
もう1台の初公開モデルが、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車。昨年公開された試作車はエンジンとフレームが剥き出しだったが、今回は新作のカウルをまとって登場した。これが独創的で、アッパーカウルはサイドに大きく張り出し、モトGPマシンのようなウイングレットを採用している。
今回のデモランではモーター走行から途中でエンジン走行に切り替えるパフォーマンスも披露。バッテリー+モーターだけでも走行できるストロングハイブリッド方式であることをアピールしていた。
エンジンはNinja250/400系のDOHC4バルブ水冷並列2気筒と見られ、サイレンサーはNinja400と同タイプ。同様にミッションも6速と思われるが、クラッチレバーやシフトペダルは非装備だった。2021年の試作車では、手元ボタンでのシフトチェンジが可能だったので、今回も同様のシステムが採用されているハズだ。
車体面ではスイングアームが非常に長く、車格は600並みのボリューム。またフロントブレーキはNinja250/400がシングルディスクなのに対し、Wディスクとしている。
現行車唯一のハイブリッド車であるPCX e:HEVはモーターを補助として使用するマイルドハイブリッド。ストロングハイブリッドのバイクが市販化されれば世界初の快挙となるのだ。
カワサキEVはネイキッドとSSの2本立てで2023年に発売か?
EVは、ハイブリッドに先駆けて2023年に発売され、しかもネイキッドとスーパースポーツ(SS)の2本立てとなる可能性が出てきた。
海外の有力サイト「MOTORCYCLE.COM」によると、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)がカワサキ2023年モデルのVIN(車両識別番号)を更新。そのリストに「NX011AP」と「NR011AP」なるコードが追加されていたという。
従来のモデルコードでは、「EX」がフルカウルスポーツ、「ER」がネイキッドを示していた。例えば、Ninja400は「EX400」、Z400は「ER400」と表記される。これに倣うと、「NX011AP」はフルカウル、「NR011AP」はカウルレスと予想されるのだ。
さらにリストには、エンジン排気量、シリンダー数、エンジン出力の項目があるが、上記のNXと NRには排気量が記載されておらず、シリンダー数は「0」、出力は 11 kW (14.95ps)との表記が。
これは、NXとNRが内燃機関を搭載しないEVであることを示しており、コンセプト版EVの定格出力10kWともほぼ符合する。
そしてモデルコードの末尾「P」は2023年モデルを意味する。あくまで予想に過ぎないが、カワサキから2023年にNinja系フルカウルとZ系ネイキッドという2台のEVが発売されると見られるのだ。
なお8耐で登場したハイブリッド版の記載はないため、EVが先に発売され、後にハイブリッドが登場する可能性がある。
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