カワサキの世界初ストロングハイブリッドは400cc相当か
125cc以上となるが、鈴鹿8耐でデモ走行したカワサキのHEV(ハイブリッド)モデルも欧州で初公開。エンジンのみ、モーターのみでも走行できるストロングハイブリッドモデルは、二輪で世界初。欧州で2024年発売予定だ。
ニンジャとZのEVが近距離移動向けのシティコミューターなのに対し、HEVはより遠距離を想定。排気量は未発表だが、エンジンは250~400ccになるとの情報だ。ハンドルには「e BOOST」ボタンがあり、エンジン走行中にモーターのアシストで燃費を向上したり、加速させることもできる。
さらにオートマとマニュアルの切り替えボタンがあり、ミッションが搭載される模様。クラッチレバーやペダルは見当たらないため、ボタン変速のセミオートマになるようだ。
エコだけではなく、操る楽しさまで健在。EVを含め、カワサキらしいエキサイトメントを味わえるはずだ。
ホンダ初の個人向けEV「EM1 e:」はE-ビーノ越えの航続距離!
一方、ホンダは個人向け電動スクーターの「EM1 e:」を世界初公開。2023年夏に欧州で発売する。
意外にもホンダが欧州でEVを販売するのは初。日本国内においても、これまで法人や官公庁向けの販売またはリース専用車のみで、一般ユーザー向けのEVは登場していない。
「EM」は Electric Moped の略で、出力は原付一種(~50cc)相当。後輪にモーター備え、シート下に着脱式バッテリーを1個搭載する。フル充電での航続距離(WMTCモード)は40km以上、最高速度は45km/hを誇る(ちなみに国内の場合、原付一種の最高速度は30km/h上限)。
バッテリーは国内のバッテリー共通規格であるホンダモバイルパワーパックe:を搭載。エネオスのガソリンスタンドや公共施設などに充電済みのシェアリングバッテリーを設置する新サービス、ガチャコに対応している。ガチャコは10月25日、東京都西新宿の都庁前にバッテリーステーション1号機を設置しており、東京、大阪など大都市圏から順次エリアを拡大していく。
なおライバルのヤマハE-ビーノは、満充電での航続距離は約32km(30km/h定地テスト値 標準モード)。ただし、E-ビーノは別売のスペアバッテリーをシート下に一つ積むことができる。電費性能はEM1 e:に軍配が上がるが、結果的に長く走れるのはE-ビーノだ。
とはいえ、E-ビーノのバッテリーは共通規格のモバイルパワーパックe:とは異なる。ガチャコが普及すれば、EM1 e:は電池切れの心配が大幅に減り、飛躍的に使い勝手がアップするだろう。
EM1 e:は国内でも来春導入へ、ただしレンタルの可能性も?
今回のEM1 e:は、中国現地法人の五羊ホンダが2021年から発売している電動スクーター「U-GO」と外観がほぼ共通。しかしU-GOはフロア下に電池を内蔵しており、接続プラグの着脱操作が必要だ。
EM1 e:の国内導入は未発表ながら、情報筋によると「2023年4月ごろ登場する」らしい。ホンダは全国にホンダゴーバイクレンタルを展開しており、一般販売ではなく、レンタル車として導入される可能性もあるようだ。
欧州での価格は未発表で、モバイルパワーパックと専用充電器は別売だ。なお、中国で販売されている前述のU-GOはバッテリー込みで7499~7999人民元(14万8000~15万8000円)と激安。国内で販売された際も、これに近い価格だと一気に普及が進むかもしれない。
3月に国内で開催される東西モーターサイクルショーで詳細が発表されることを期待したい。さらに、ホンダは 2025 年までに世界で10以上のEVを導入する計画だが、その皮切りとなるのがEM1 e:。今後の新型EVにも注目だ。
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