コンパクトで取りまわしやすいジョグ125。俊足も健在だ!

コンパクトで取りまわしやすいジョグ125。俊足も健在だ!

 軽量コンパクトで足着き性のいいジョグ125の車体は、車体重量95kgとヤマハ125ccスクーターで最軽量。ジョグシリーズで初となるBLUE COREエンジンを搭載し、低燃費でコストパフォーマンスにすぐれた原付二種のスタンダードモデルとして開発された。国内モデルは2022年11月に発売され、2024年3月に新色のレッドとライトブルーが追加された。

 文:小川浩康 写真:コイズミユウコ Webikeプラス

シンプルながら、便利な装備は充実

 「スタイリッシュ・スプリンター」のキャッチフレーズで1983年に初登場したヤマハジョグ。当時の空冷2ストローク49ccエンジンは最高出力4.9psながら、乾燥重量49kgと超軽量な車体もあり、軽快でスポーティな走りで大人気となった。モデルチェンジでメットイン収納やパワーアップをしつつ、2007年に4スト化。その後も排ガス規制に適合し、40年以上のロングセラーモデルとなっている。

 このジョグ125はジョグシリーズらしいコンパクトな車体に、環境性能と走りの楽しさを両立した125cc空冷BLUE COREエンジンを搭載し、ヤマハ125ccスクーターでトップの低燃費51.9km/Lと最軽量の車重95kgを実現。静粛にエンジン始動できるSMG(Smart Motor Generator)、前後ブレーキはドラムだが、リヤブレーキ操作でフロントブレーキが連動するUBS(Unified Brake System)を装備。容量21.3Lのシート下収納、フロントポケット、コンビニフックと、コミューターとしての利便性を高める機能も装備している。

 

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ジョグ125の車体は、50ccのジョグとアクシスZの間のサイズとなるコンパクトさ。画像のレッドは2023年モデル。2024年モデルは新色のライトブルーとレッド、継続色のブラックとホワイトの全4色。

 

 

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2024年モデルの新色ライトブルー。

 

 

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同じく2024年モデルの新色レッド。

 

 

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ヘッドランプは12V、35/35Wハロゲン。ポジション、ウインカーともにバルブ。

 

 

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YZF-Rシリーズイメージのスポーティなテールランプ。バルブだが視認性は良好。

 

 

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600mlペットボトルを収納できるポケットには純正アクセサリーのUSBソケット装着スペースがある。シャッター付き鍵穴、耐荷重1kgのコンビニフック、4Lタンクへの給油口。

 

 

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クッションの硬さを調整することで良好な乗り心地を得たシート。

 

 

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耐荷重5kg、容量21.3Lでジェットヘルメットなら1個収納できそうだ。

 

 

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スピード、積算距離、燃料をアナログで表示。インジケーターはエンジン警告、ウインカー、ハイビームのみ。

 

 
 
 

JOG125の足着き性をチェック!

 

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ライダーは身長172cm。シート高は735mmで足裏をベッタリ着ける。フロアはタイトで、着座位置も1カ所に定まる感じだ。

 

 

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両足の足裏がベッタリ着き、両ヒザも軽く曲がるほど。車体幅もスリムで足着き性には余裕がある。

 

 

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ライダーは身長156cm。リラックスできるライディングポジションを取っても、足裏をベッタリ着ける。

 

 

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車体幅がスリムなこともあり、両足の足裏までベッタリ着ける。「車重も軽く、不安は一切なし」とのこと。

 

実用域の走りにストレスなし!

 

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トルクが立ち上がってからの、加速の伸びがいいジョグ125。街中でストレスのない走りを楽しめる。

 

 ジョグ125のエンジンは、アクシズZの空冷BLUE COREエンジンがベース。クランクシャフトを直接回転させるSMGも搭載し、セルスイッチ一押しで静粛にエンジンが始動する。ただ、アクシズZはアイドリングで不快な振動はなかったが、ジョグ125はアイドリング時にはっきりと振動を感じる。

 アイドリングからスロットルを開けていくと、ほんの一瞬の間の後にエンジン回転が上昇し、トルクも立ち上がってくる。そこからの加速力は良好で、振動が気になることもなくストレスフリーで交通の流れをリードしていける。変速比は2.175~0.735とアクシスZより高速寄りとなっていることもあり、時速30km~60km辺りの実用域の加速の伸びはジョグ125のほうがスムーズに感じられた。

 タイヤは前後10インチと小径だが、専用開発されたフレームと軽い車重とのバランスがいいおかげか、前輪の接地感が分かりやすかった。コーナリングや交差点で前輪が切れ込みすぎることもなく、走行時には直進安定性もハッキリ感じられた。荒れた舗装路や橋の目地段差などで大きな入力があると前後サスは吸収しきれず、衝撃が身体に伝わってきた。しかし、状態のいい舗装路ではピッチングもなくマシン挙動はフラットで、エンジンからの振動も感じず、予想していた以上に乗り心地はよかった。

 

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空冷ながら最新排ガス規制に適合したBLUE COREエンジン。ジョグ125専用の変速比は加速の伸びのよさになっている。

 

 

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常用域で乗り心地のよさを発揮する正立フォーク。ハンドリングもシャープすぎず、安定志向に感じられた。

 

 

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リヤショックは車体左側のみ。大入力時に突き上げられるが、常用域ではフラットな乗り心地を実現している。

 

抜群に取りまわしやすいコンパクトさ

 車重95kgのジョグ125は押し引きで充分にその軽さを感じられたが、車体のコンパクトさも印象に残った。50ccクラスに近い車体サイズは切り返しやすく、狭い駐車スペースにも停めやすい。小回りがきいて足着き性もいいのでUターンが苦にならず、細い路地へも躊躇なく踏み込んでいける。

 ただし、コンパクトさはフラットフロアの狭さにもなっている。足下がタイトなので足を置くスペースが限定されがちで、シートもタンデムシート部が高くなっているので着座位置が固定されやすい。ライディングポジションは窮屈ではないけれど少しタイトに感じられ、着座位置を変えにくいので同じ姿勢を取り続けることになり、長時間や長距離のライディングでは疲労が蓄積しやすいと感じた。とはいえ、短時間や短距離のライディングが多いコミューターにはそんなデメリットよりも、コンパクトさが使い勝手のよさになっているメリットのほうを多く感じるはずだ。

 前後ブレーキはドラムで、レバー操作をするとグニュっとしたタッチで制動力が立ち上がってくる。ディスクブレーキのような繊細なコントロールはしにくいけれど、軽い車重もあって制動力は必要充分だ。久しぶりのフロントドラムの感触には懐かしさも感じた。

装備を極力シンプルにして信頼性を高め、軽量な車体は低燃費に貢献していて、コストパフォーマンスはかなりいい。最新のデジタル装備や突出したスペックはないけれど、コンパクトな車体はエンジンパワーとのバランスがよく、ストレスのない加速と軽快な取りまわしで走る楽しさも存分に感じられた。軽量で取りまわしやすいコミューターを求める人には、ジョグ125はオススメの1台だ。
ジョグ125にはジョグシリーズらしい俊足ぶりが健在だったので、アラ還の筆者はTECH21カラーがあれば、なんて思ってしまった。

 

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制動力は充分だが、タッチに曖昧さがあるドラムブレーキ。タイヤは前後ともチェンシン製。

 

 

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リヤブレーキをかけるとフロントブレーキも連動する。制動力の前後配分に違和感がなかった。

 

スペック【2024年型ヤマハJOG125主要諸元】

・全長×全幅×全高:1740×675×1090mm
・ホイールベース:1205mm
・車重:95kg
・エンジン:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒124cc
・最高出力:8.3PS/7000rpm
・最大トルク:1.00kgf・m/5000rpm
・燃料タンク容量:4.0L
・変速機:Vベルト式無段/オートマチック
・ブレーキ:F=リーディングトレーリングドラム、R=リーディングトレーリングドラム
・タイヤ:F=90/90-10、R=90/90-10
・価格:26万4000円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/365512/

コンパクトで取りまわしやすいジョグ125。俊足も健在だ!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=365512

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