【SHOEI Z-8 インプレ】全てが高水準! 軽量コンパクトを極め、特にラクさと静粛性が素晴らしい

【SHOEI Z-8 インプレ】全てが高水準! 軽量コンパクトを極め、特にラクさと静粛性が素晴らしい

 軽量コンパクトな帽体と、シャープなデザインが特徴のZ-8。2021年の登場から今だ高い人気を誇るが、その魅力を改めてテストしてみた。

 
文/沼尾宏明 Webikeプラス
 

軽さと小型化を追求したSHOEIの人気フルフェイス

 プレミアムヘルメットを謳う日本のSHOEIは、世界的にも高いシェアを誇るトップブランドの一つ。Zシリーズは、軽さとコンパクトを追求したスポーツフルフェイスで、中堅モデルの位置付けだ。最高峰のXシリーズより価格帯を抑えつつ、抜群の性能で高い人気を博してきた。

 現行のZ-8は2021年にデビュー。歴代シリーズの美点である軽量コンパクトさに一層の磨きをかけている。

 帽体は軽量&高剛性なAIM+で、フラッグシップのX‐15と同様の構造。強靭なガラス繊維と3次元形状とした有機繊維の複合積層構造を基に、高い弾性性能を持つ有機繊維をプラスした。

 

Z-8(SHOEI)。前作Z-7の後継として2021年に販売開始された。写真はマットブラックで、同梱の防曇シート(SHOEI DRYLENS/PINLOCK EVO lens)を装着。



 ●価格:6万500円~
 ●サイズ:XS、 S、 M、 L、 XL、XXL、XXXL、XXXXL
 ●規格:JIS
 ●メーカーサイト:
https://www.shoei.com/products/helmet/fullface/z-8/

正面から見ても帽体は小型な印象。帽体サイズはS、M、L、XL~で独立した4サイズを設定し、軽量コンパクトを追求。ここまで細かく帽体サイズがあるヘルメットも珍しい。

 

カットされた帽体下部のデザインと赤いアクセントが特徴的なサイドビュー。前後方向の長さは控えめだ。

 

リヤビューもコンパクト。スポイラー奥のリヤダクトは常時開放式だ。

 

全体的にシャープなデザインが特徴で、額にある3つのベンチレーションもエッジィ。中央のダクトは2穴式で、シャッターは全て3段階調整式だ。

 

口元のダクトはワイドな設計で左右から吸入。開閉は2段階だ。シールドはセンターロック式で、押し込めばロックできる。

 

シールド下部の突起は風切り音を抑えるボーテックスジェネレーター。他社ではほぼ見られないSHOEI独自の装備だ。シールドは、レバーを押して引くだけで取り外せる。また、シールドの密着性を1mm程度調整可能だ。

 

 
 
 

軽さはジェット並み、静かなのでインカムの音がよく聞こえる

 実物を手に持ってみると、まるでジェットヘルメットのように軽い。実測では1428g(Lサイズ マットブラック ピンロックシート装着状態)で、一般的な内蔵サンバイザー付きのジェットより軽いのだ。

 被り心地も非常に軽快だ。筆者は普段SHOEIでLサイズを被っており、後頭部を含めて全体をカッチリ包み込んでくれる。コンパクトな帽体と相まって、まるで頭と一体化しているような感覚だ。

 走行すると30km/h程度から額に風を感じる。中央に2つ、左右にある吸入孔から走行風が入り、しっかり換気されている印象だ。

 そして何より静けさが優秀。高速道路での100km/h走行も実に平和で、ゴーッという風切り音もほぼない。なおインカムを装着したところ、風切り音が少ないため、スピーカーからの音がよく聞こえる。普段からインカムをよく使うユーザーには特におすすめしたい。

 高速走行時の直進安定性はもちろん、確認で首を向けても振られることがなく、見事に安定している。この静穏性と空力性能は現行製品の中でもトップレベルだろう。

シールドや帽体の随所に静粛性をアップする仕組みが

 この静けさには様々な理由がある。まずシールドがセンターロックにより全閉時の密着性が高い点。また、全閉時にスプリングでシールドを密着させるシステムや、風が進入しにくい内装、イヤーパッドなども静けさをアップしている。

ボトム部はボリュームがあり、フィット感が高い。同時に風の侵入を抑制するため、静穏性に貢献している。材質はソフトで着脱もイージーだ。

 

付属の大型チンカバーがアゴ下からの巻き込み風を抑え、静穏性に貢献。メッシュ生地なので通気性も確保されている。

 

耳元には音の侵入を防ぐイヤーパッドを装備。帽体側のイヤープレートにはパンチング加工を施し、パッドを取り外しても音の反響を防ぐ。もちろんスピーカーホールにもなる。

 

メガネスリットにより出し入れはスムーズ。こめかみの圧迫感もほぼない。

 

 不満というほどのネガではないが、シールドのセンターロックは、左側ロックに慣れているライダーには慣れるまで違和感があるはず。また頭頂部の左右ダクトと口元シャッターの操作がやや固い。だが、その程度で圧倒的に長所が優っている。

 

内装はアゴ紐カバーを含めて全て着脱可能。汗をかきやすい部分に吸湿速乾性の高い生地を、着脱時に肌と擦れる部分に柔らかい起毛生地を組み合わせた。

 

[まとめ] 疲れにくく、多彩なステージで輝く万能スポーツモデル

 Z-8は、街乗りからツーリング、サーキット走行もこなす、万能スポーツモデル。モトGPライダーであるM・マルケスのレプリカなどグラフィックモデルが豊富に用意されているのも嬉しい。

 実は筆者、普段からZ-8を着用している。2年ほど使っているが、長時間被っても首や肩のコリがラク。ベンチレーションも優秀で、かなり気に入っている。

 最高峰のX-15はより機能満載で、直進安定性と静粛性に関してはZ-8を上回るものの、Z-8も引けを取らない。一方で軽快さはZ-8が断然上だ。価格は6万円台と高価に感じるかもしれないが、その価値は十分あると思う。

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/parts-gears/399574/

【SHOEI Z-8 インプレ】全てが高水準! 軽量コンパクトを極め、特にラクさと静粛性が素晴らしい【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=399574

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