路線バス大国 沖縄本島!! 1990年代のバスが今もバリバリ現役ってマジっすか?

路線バス大国 沖縄本島!! 1990年代のバスが今もバリバリ現役ってマジっすか?

 2024年現在でも首都圏を離れて地方都市へ行くと、バスがバリアフリーに本格対応する前の時代、現行モデルとは姿形がだいぶ違う、1990年代製造のネオクラシックな路線バス車両が、新しめの車に混じって頑張っている様子をたまに見かける。

文・写真:中山修一
(沖縄本島ネオクラシックバスの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■沖縄でネオクラシックバスを探す

旧い子はいねが〜〜
旧い子はいねが〜〜

 出会えてラッキー、乗れたら尚幸せなのが旧い路線バス車両。そんな最高に楽しいバス体験を沖縄本島でも堪能できるだろうか?

 沖縄本島の路線バスをざっくりと全体的に見るなら、首都圏等と車両の顔ぶれはあまり変わらない印象。とはいえ、首都圏排ガス規制の対象とは縁のない場所ゆえに、旧い車が今も使われていたっておかしくない。

 沖縄といえば、1970年代に作られたビンテージバス(ナナサンマル)が現役旧車の筆頭格であるが、それは今回の対象から外すとして、何も調べないで目の前に1990年代のネオクラシック車がフツーに現れるかどうか、街中をそぞろ歩きしてみた。

■沖縄でも健在!! いすゞの名車

 散策を始めて、うれしいことに割とすぐネオクラシック車に出会えた。その中で最も遭遇回数の多かったのが、1984年のデビュー以来、一世を風靡して日本の路線バス車両史にその名を刻んだ「いすゞキュービック」だ。

 同車は角目4灯のヘッドライトに、1枚窓の大きなフロントガラスと、前面両脇に五角形の窓がハメ込まれたスタイル。その独特な顔つきから、遠目からでも一発でキュービックだと分かるのが特徴。

沖縄の街にキュービック現る!!
沖縄の街にキュービック現る!!

 排ガス規制の関係もあって、東京周辺では“絶滅”してしまった車種ながら、北海道をはじめ新潟、栃木、熊本、長崎ほか、各地方都市でまだ使われている。今回改めて、その現役エリアに沖縄が加わった。

 見かけたのは那覇周辺と名護、国頭村の付近。琉球バス交通と那覇バスがキュービックを2024年11月現在も複数台使用しているようだ。

那覇バスのキュービック。4枚折戸の中扉が付いているタイプ
那覇バスのキュービック。4枚折戸の中扉が付いているタイプ

 何台か目にしたキュービックの個体ごとに掘り下げてみると、どれも1996〜99年式と、2000年まで現行車だったキュービックとしては比較的後年に作られたバリエーションだった。

遠くに見えるはキュービック。ドアの数に注目!!
遠くに見えるはキュービック。ドアの数に注目!!

 車体を眺めると、ごく標準的な前と中の2扉仕様で、引き戸/4枚折り戸の中扉を持つタイプがそれぞれ両方いたほか、前・中・後ろにドアが設置された3扉車まで遠くにチラッと見えた。沖縄の現役キュービックは仕様違いが具沢山で見応え抜群だ。

■生え抜きの車はいるのか?

 上記のキュービックの経歴をチェックしてみると、全ての車両が中古で導入されたもので、元・東急バスと京急バスの首都圏出身車であった。

 続いて気になったのが、新車の段階から沖縄にいる「生え抜き」の路線バス車両がいるかどうか、というあたり。そうなると高確率でナンバープレートが2ケタの「沖縄22」になるハズ。

右端にいる1台はもしや!?
右端にいる1台はもしや!?

 これはさすがに運用を調べないと出会えないかな? と思いきや、何気なしに那覇バスターミナルへ赴いたところ、角目4灯ヘッドライトと角張ったボディにアルミサッシの2段窓が付いた、見た目的にはバリアフリー前世代の大型路線車が1台あっさり停まっていた。

 車種は日野ブルーリボン。琉球バスに所属している1台で、車体のオレンジ色の塗装がよく目立つ。ドアが前1カ所のトップドア車である点も珍しい。ナンバーを確認すると紛れもない2ケタ、この時点でほぼ地元の車と考えて良さそうだ。

 後で経歴を確かめてみたところ、1997年式のブルーリボンで、元々は米軍のスクールバスという異色のキャリアの持ち主だった。昔から沖縄にいるのは確かながらも、ずっと同一のバス事業者に居続けている訳ではなかったらしい。

琉球バス珠玉の路線車、日野ブルーリボン・トップドア車
琉球バス珠玉の路線車、日野ブルーリボン・トップドア車

 しかし、バス車両は1997年式で現在も2ケタナンバー……ナンバーが3ケタ化したのは1998年からなので、スクールバスとして使われていた期間はごく短かったのかも? そんな経歴のナゾも興味深い。

 また、2024年現在の同車は行先表示器がフルカラーLEDに交換されていて、新旧入り混じった魔改造具合が眺めていて楽しい。長い年月を働いていれば色んなことありそう。

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