昔のバス vs. 最近のバス……パワーウエイトレシオで比べると昔のほうが軽いor重い?

■新旧大型路線車のPWR

 最後は80人乗りクラスの箱型車体を持つ、リアエンジンの大型路線車だ。古い車種の例には、1965〜66年製造の「日野RB10」の平均的なカタログ値を使用。

1965年式 日野RB10の運転席
1965年式 日野RB10の運転席

 RB10の本体重量はおおむね7,450kg。定員76〜84名で、7,982cc 160馬力のエンジンを積んでおり、求められるPWRは46.6kg/psだ。

 最近の大型路線車の例として「いすゞエルガ/日野ブルーリボン」のスペックを使用。定員72〜78名、本体重量おおむね9,550kg。それを押すのが5,193cc 240馬力のディーゼルエンジンだ。よってPWRは39.8kg/ps。

2020年式 日野ブルーリボン
2020年式 日野ブルーリボン

 新旧を対比させると、【46.6】vs.【39.8】になり、こちらもマイクロバスやボンネットバスと同様、昔の車のほうが本体重量が軽く、PWRは重い結果が出た。

 このようにPWRでの結果を参考にすると、最近の車のほうが性能は全然よくなっている様子が窺える。

■重さによらないハイパフォーマンス

 意外だったのは最近登場した日本製の大型電気バス「ブルーリボンZ EV/エルガEV」。車両本体重量12,200kg前後と、かなりヘビー級の車だ。

 ところが、積んでいる電動モーターの最高出力を馬力換算すると340馬力程度あり、これを元にPWRを割り出すと35.9kg/psだ。

(1)対1965年製RB10→【46.6】vs.【35.9】
(2)対ディーゼルの現行エルガとブルーリボン→【39.8】vs.【35.9】

と、本体重量こそ、どの年代の大型路線車も寄せ付けない貫禄を放つ一方、PWRの値では旧車どころか現行のディーゼル車よりも軽くなる、重さによらない意外なハイパフォーマンスを見せてくれる。

【画像ギャラリー】戦前〜現代までの日本製路線バス車両(8枚)画像ギャラリー

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