■部活の送迎は?
話を戻して学校の部活送迎の話だが、多くの学校が何らかの行事のたびに貸切バスを手配するのはバス事業者にとっては狂喜乱舞の特需に近い。大型バスでなくても小型やマイクロバスを専門に保有する貸切バス会社もあるので、規模に合わせた選択ができるのもバスのメリットだ。
普通免許から中型8トン限定免許までで運転できるのは定員10名以下なので、ちょっとした学校行事だと限定なしの中型免許以上が必要になる。そんな人材を常時確保でき、レンタカーを手配したとしても、肝心な安全面での不安があれば元も子もない。
しかし、今後は多くの学校が貸切バスの手配しようにも、バスがあっても運転士がいないという理由で断られる可能性がある。金がかかるのでそこが問題だとテレビでは言っているが、そんな問題ではなく、金を出しても貸し切れないかもしれないのだ。
■悪循環はどこかで断ち切らないと!
どこのバス事業者でも「こっちの路線の運転士を確保するためにあっちの路線は減便する」といったような、表現は悪いが人材の自転車操業のようなことが行われているのを知っておくべきだ。最後はバスがあるみたいな風潮はもはや通用しないのが現実だ。
とはいえ、利益が出る貸切バスや高速バスの運転士を確保するために儲からない路線バスを切るということは公共交通機関としてはできないのだ。中には路線バスからためらわずに撤退して高速バス専業になる事業者もあるが少数派で、民間企業である限り利潤を追求するために利益が出ない事業は捨てるという選択は経営判断としては正しいとしか言えない。
バス事業を取り巻く環境は悪循環の方向に回りつつある。利益が出る高速バスで赤字の路線バスを補填し、全体として路線を維持する手法は通用しなくなっている。利益が出せる事業ですら運転士を回せないからだ。
学校行事で貸切バスを利用するのは最も安心であり、他の手段と比較して高価なことさえ問題がなければぜひともそうすべきだろう。しかし、今後は徐々に手配できないという問題が表面化するかもしれない。根本的な原因は運転士不足にあるのだから、ここに至って事業者が解決できる時期はすでに過ぎており、これはまさに政治力が発動される分野のひとつなのかもしれない。
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