公道を走る自動車には必ず付いているナンバープレート。路線バスの場合、後ろ側のナンバーを掲示する位置がまちまちのようだが、これに「お約束」はあるのだろうか。
文・写真:中山修一
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■まずは法律面からアプローチしてみると……
ナンバープレートは法律に直接関わるパーツということで、まずは法的な基準が設けられているかを軽くおさらいしてみる。国土交通省が公表している資料によると、確かに決まりごとがある。
プレートにカバーを被せたり、文字が隠れるような掲示方法はNG、折ったり垂直に取り付けるのもNG、規定の角度の範囲を超えないように取り付ける等々が主な条件だ。
ところが、バイクを除き車両の前と後ろに掲示するのが前提ながらも、位置に関しては特に言及されていない。上記の条件を満たしつつ「見やすく表示」されていれば問題ないようだ。
■左右中央が妥当に思えるけれど……
最近の中型〜大型路線車では、後ろのエンジンカバーにナンバーが取り付けられている。下寄りの真ん中が多い普通乗用車のように、バスもまた同様かと思いきや、センター掲示はもとよりオフセットされている車両にも出くわす。
案外バラバラなように思えるが、それらバスを車種で確認すると、いすゞ/日野系はセンター、三菱ふそうは右オフセットといった具合に分けられる。ナンバーの掲示位置ひとつ取っても、メーカーごとにカラーを持っている、とも取れるわけだ。
では、三菱ふそうの車両がなぜ右オフセットになっているのか。後部をよく見ると、エンジンカバーの下寄りセンターに開閉用の取手が1つ付いている。この取手に干渉しないよう、ナンバーを右にずらして配置していると思われる。
いすず/日野系の場合、カバー開閉用の取手が左右に1つずつ、センターから少し離れた位置に付いているため、普通にナンバーのセンター配置が可能なデザインと言える。
ただし、いすゞ/日野の最近の車両なら全部が全部センターというわけではなく、例外もある。京浜急行バスによく見られるが、いすゞ/日野の路線車でも、同事業者の車の多くが右オフセットだ。
京急バスのエンジンカバー部分には広告掲示用のフレームが増設されており、広告に干渉ないし全体のバランスが悪くならないよう、ナンバーを右にずらして対応しているのが理由の一つに考えられる。
また、西東京バスや都営バスの一部路線車では、エンジンカバーのセンターやや右に点検蓋の穴が開けられている。
ナンバーをセンター配置にすると位置関係がギリギリになるためか、三菱ふそうの車両でなくても右オフセット(センターのままの車両もあるが…)になっている。