■もはや消えゆくのみか!? レアな左オフセット配置
現行車種のほとんどがセンターまたは右オフセット配置のいずれかだ。では、ナンバーを左寄りにオフセットして掲示している路線者は皆無かと言えば、決してなくはない。
2023年現在の全国各地で使用されている路線車のうち、2010年まで活動していた西日本車体工業(西工)で作られた「96MC」と呼ばれる車体を乗せた車両が左オフセット(これまた全部ではないが…)だ。
また、現役の車両はかなり数を減らしているものの、いすゞと共通設計になる前の時代に作られた日野製路線バス車両においても、割と左オフセット率が高い。
さらに年月を遡ると、ナンバーが左に付いているバス車両が結構出てくる。左配置の理由は多々考えられるが、昔のバス車両はエンジンカバーの後ろまでメッシュ状になっているものがあり、排熱に支障が出ないようメッシュの部分を避ける意図があったと思われる。
その他、大昔のボンネットバスでは後ろの中央に非常口の扉が付いている。さらに後部右寄りにはバックランプが埋め込まれており、両者と干渉させないためには左側しか配置する場所がなく、左オフセットの割合が高くなっている。
今のところ、メーカー標準でナンバーが左オフセットの日本製中型〜大型路線車は作られておらず、街中を走っているものが最後ということになる。左オフセットは今や絶滅危惧種へと姿を変えた貴重な存在だ。
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