電車や汽車に代わって一時的に走るのが代行バス。最初はあくまで代役だったはずが、そのまま主役に定着してフィナーレを飾る……なんて流れも、今やそれほど珍しいものではなくなった。
文・写真:中山修一
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■“日本一”の記録ホルダー!!
北海道中部に位置する、味付けジンギスカンで有名な滝川の街と、富良野・帯広・釧路を経由して、太平洋とオホーツク海側に位置する東の果て・根室までの443.8kmを、JR北海道の根室本線が結んでいる。
日本の鉄道では極めて長い路線の一つであるが、2010年代に滝川〜釧路間308.4kmを約8時間かけて走る直通の各駅停車が1本あり、当時としては日本一長い距離を走る普通列車の記録を持っていた。
そんな根室本線に転機が訪れたのは2016年8月31日。この日に通過した台風10号の影響により、富良野から40kmほど先の東鹿越〜新得間(41.5km)が深刻な被害を受け、以降ここが不通となってしまった。
■バスでレールを繋げるだと!?
しばらくの間は完全に移動できない状況に陥っていたが、2016年10月17日から代行バスが立てられた。当初は東鹿越〜途中の落合までで、落合〜新得間は引き続きストップしたままであった。
5ヶ月ほど経った2017年3月28日、全て落合止まりだった代行バスの運行区間が、東鹿越〜新得に延長。物理的ではないにせよ、この日からバスを挟んで根室本線全線が再び繋がった。
2017年12月1日からは、東鹿越方面の上りと新得方面の下り合わせて、10便あった代行バスが12便に増便。
うち下りの1便は富良野→新得間を、東鹿越での乗り換えなしで直通できる快速バスで、11時台に出発する観光に使いやすいダイヤ設定が魅力であった。
その後2021年3月13日、コロナの影響も少なからず受け、前述の快速バスと昼間の時間帯に出発する上り・下り普通便がそれぞれ運転を取りやめている。
2023年12月現在、新得〜東鹿越を結ぶ便が上下4便ずつに加え、上りの1便だけ落合〜東鹿越間の運行だ。ダイヤの都合で以前に比べ、観光目的での利用が時間的にちょっと難しくなった。