バス停標識は1箇所につき1本が基本。では異なるバス会社の複数のバスが発着する停留所には、各社の標識が必ず別々に1本ずつ立つのだろうか?
文・写真:中山修一
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■別々か統一か
バス停標識は一般的に、停留所を設置したバス事業者が自前で用意する。その場所を通るバスが1社しかない場合、置かれるバス停標識の数は自ずと1本に収まる。
それはともかく、問題は2つ以上の事業者が、同じ場所をバス停に指定した場合だ。まずは法律面で何か決まり事があるのか探りを入れてみると、1本の標識にまとめないとNGや、必要な分だけ個別に用意する等々の規定は特になかった。
バスの設備・インフラに杓子定規な答えや基準を求めるのは、そもそも無理な話ではあるが、複数のバスが通る1つの停留所を各所で観察してみると、やはり事業者ごとに別々に標識を立てるのが「ごく普通」と言えそうだ。
バス事業者には個別のカラーがあり、バス停標識もカラーを合わせていることが多く、同じ場所に複数の標識が立っていると、事業者によって異なる色合いと姿形のメリハリがついて楽しげだ。
それとは対照的に、バス停標識本体の部分は、どの事業者にも属さない共通のデザインが使われ、事業者名の掲示部分だけ変えて区別する、統制の取れたパターンも見られる。
同じ位置に立っているバス停標識の数が増えれば増えるほど、各自の主張のぶつかり合いに迫力を感じること請け合いだ。
とはいえ、そこまで経路がカブる場所は珍しいはずで、1箇所あたり2本程度が、全国的によく見られる数かもしれない。
■仲良しこそ一緒に?
比較的規模の大きいバスターミナルでも、基本的には事業者ごとに乗り場を分けている。とはいえ、スペースの都合や各社共同運行の路線が出入りする場所では、1本のバス停標識に名を連ねることもある。
この場合も、標識本体は共通のデザインで、どこのバスが来るのか分かるよう、該当の路線を運行している事業者名をまとめて掲示する方法がよく採られる。
とりわけ共同運行路線となれば、始点終点のバスターミナルに留まらず、途中の停留所も1本の標識に各事業者のバス情報を集約するほうが主流かもしれない。