西日本鉄道は、現在実証実験中のタッチ決済を利用したバス乗車の対象路線に、新たに太宰府と博多駅を結ぶ「太宰府ライナーバス『旅人』」を追加する。観光路線であることからインバウンド需要拡大に向けた実証と言えそうだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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■実証の概要
2023年7月10日から 博多駅~福岡空港国際線、8月1日からFukuoka BRT(連節バス)にて実証実験を行っている、三井住友カードが提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用した、クレジットカード等のタッチ決済によるキャッシュレス乗車システムについて、新たに2023年12月22日から、福岡の人気観光スポットである太宰府と博多駅を結ぶ「太宰府ライナーバス『旅人』」へ対象を拡大する。
実証実験の期間は、2023年12月22日(金)~2024年3月31日(日)までの予定。実証実験自体は2023年7月10日(月)から実施中だ。
国際ブランドのタッチ決済読取端末をバスの乗降口に設置する。手持ちのタッチ決済対応国際ブランドカードやスマートフォン等を端末にかざすだけで乗車できる。西鉄は対距離制運賃なので、乗車時と降車時の2回タッチする必要がある。
連節車の場合は中ドアや後ろドアからも乗車できるが、降車は前ドアからに限られるのがICカード乗車券(西鉄はnimoca)との違いのようだ。
■履歴の確認も可能
乗降履歴の確認には、交通事業者向け決済及び認証のプラットフォームを提供するQUADRACのQ-moveサイトにアクセスして、「マイページ」の会員登録手続きの後に見ることができる。
決済プラットフォーム「stera」は、キャッシュレス導入に際した課題を解決するため、三井住友カードが、GMOペイメントゲートウェイ・GMOフィナンシャルゲートおよびVisaと共同で構築した事業者向け決済プラットフォームだ。
「stera transit」は、「stera」の決済プラットフォームと国際ブランドの非接触決済「タッチ決済」を活用した公共交通機関向けソリューションで、現金・事前チャージの必要がないという消費者の「利便性向上」に加え、「感染症予防対策」「インバウンド受け入れ環境の整備」「地域のキャッシュレス決済促進」など、交通分野にとどまらない幅広い効果も期待される。