数多くの路線バスが集まるバスターミナルにて、どんな車両がやってくるかを暫く観察して、その正体に探りを入れてみると……!? 衝撃的な事実に出会うことも珍しくない。そんな出会いは地方都市と呼ばれるエリアが顕著(あくまでも記者の見解)と思われる。ということで帯広で張り込みをかけてみた!!
文・写真:中山修一
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■北海道の帯広駅前でバスウォッチ
乗り物がたくさん集まる場所に行くと、その場にしばし留まって、どのような車種や機種型式等々がやってくるのか、ついつい眺めてしまう。それは電車でも飛行機でも路線バスでも要領は大体一緒だ。
2023年11月の終わり、北海道十勝地方を走る広尾線代替バスを利用したついでに、JR帯広駅すぐそばの帯広駅バスターミナルで軽くバスウォッチをしつつ、記録が取れたクルマの素性を後で掘り下げてみることにした。気温5度C、風はナシ……まあ何とか行ける。
■全国的によく見かける顔が!? 大型路線車
帯広駅バスターミナルには、黄色い車体が目印の十勝バスと、白と赤の塗り分けがトレードカラーの北海道拓殖バスの車両が乗り入れている。まずは乗り場に入線中の大型路線車に注目した。
黄色い十勝バス標準色で、角目1灯ライトが左右に一つずつ取り付けられた顔立ち。車種を確認すると、2012年式の日野ブルーリボンIIだった。
すでに車齢10年以上が経過しているが、首都圏などでも見かける標準的な大型路線車といったところ。ただしこの十勝バスのブルーリボンIIは車内がハイバックシートで、長距離路線を持つバス事業者ならではの設備と言える。
続いてターミナル内に入線してきた、同じく十勝バスの大型路線車は、ブルーリボンIIよりも新しい、吊り目1灯ライトが左右一つずつの、最近の路線バスの顔。どうやら2019年に導入された日野ブルーリボンと思われる。
当日の行先表示によると、2006年に廃止となった第3セクターの北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の代替バス路線「帯広陸別線」に充当されていた。
■愛しの胴長短足が今も頑張る!! 中型路線車
次に、大型に比べて車体幅が20cmほど狭い中型路線車にテーマを絞って見ていこう。帯広駅バスターミナルに乗り入れる中型路線車の場合、全般的にやや古めの車種が使われている傾向が強い。
中型1台目は、これまた黄色い車体の十勝バス。角目4灯、車体長9mクラスの2006年式の日野レインボーだ。このタイプのレインボーも今や結構な年代ものに感じる。
中型2台目は十勝バスの中でも異色の存在。前述の北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の代替バス向けとして、2006年に導入された日野レインボーで、車体にふるさと銀河線のラッピングが施されている。
このクルマは車体長10.5mの中型ロング車というジャンルに含まれる。タイヤの径が若干小さく、幅が狭い割に車体の長さが際立つ胴長短足ぶりが中型ロング車のチャームポイントだ。
使用する路線が長いため、ハイバックシートを装備している点も中型路線車では結構珍しい。ただし、最近は代替バス路線にこの中型ロング車は使われなくなったらしい。
中型3台目は北海道拓殖バスに所属する中型ロング車。こちらは2003年頃に製造された日野レインボーHRだ。
元々は東京都の関東バスに在籍していた車両で、2017年に拓殖バスへ転籍している。車齢は相当なものだが、拓殖バスでのキャリアはまだ若手といったところか。