路線バスの運営が厳しい中で、現状は値上げラッシュの様相を呈する。しかし中には他社間での乗り継ぎ割引を導入して乗ってもらおうとする努力もある。そんな「乗り継ぎ割引」を見てみよう。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージで本文とは関係ありません)
■サービス概要
西鉄グループでは、佐賀市交通局、昭和自動車、祐徳自動車と共同で、各事業者間でバスを乗り継ぐ際に運賃を割り引く新サービス「相互乗継割引」を2024年1月20日より開始した。
本サービスは、西鉄のICカード乗車券であるnimocaでバス運賃を支払う場合を対象に、佐賀駅バスセンターで60分以内にバスを乗り継ぐと、最大90円の割引を行うサービスだ。
佐賀駅バスセンターを発着する、西鉄バス・佐賀市営バス・昭和バス・祐徳バスが対象で、路線バスだけでなく高速バス(福岡~佐賀線、福岡空港~佐賀線)も割引が適用される。
本サービスの導入により、バス利用者の利便性向上を図るとともに、公共交通の利用促進に繋げ、佐賀市内および周辺地域への移動の活性化に貢献したい考え。なお「相互乗継割引」は、佐賀県では初導入。
■自動割引だが……
この割引サービスの仕組みはこうだ。2台乗り継ぐ場合に、まず前後の安い方の運賃を基準として、その運賃が190円以上の場合は90円を割り引く。180円以下の場合は100円が割引運賃相当額になる。
つまり180円の場合は80円が割引額になる計算だ。よって最高割引額は90円ということになる。
乗車券や回数券、現金での利用では割引はされず、またICカード乗車券でもnimoca以外のICカードは割引対象外だ。よって、他地域からくる旅行者はnimocaを持っていない限り恩恵は受けられない。
■高速バスも対象なのが効き目大!!
この割引がありがたいのは、佐賀駅バスセンターから福岡または福岡空港への高速バスも対象になっているのが大きい。
目的地または出発地が佐賀駅バスセンターではない場合、当然ながら路線バスに乗り継ぐことになるが、この場合、乗り継いだ(または乗り継ぐ)路線バスの方が運賃が安いので割引になるだろう。
いずれにしても、ラストワンマイル的な路線バスが他社線でも最高90円割り引かれるのは、大変ありがたいサービスだ。たかが90円、されど路線バスの運賃にしては大きな90円だ。
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