■「ほぼ道なり」な経路で北海道のダイナミズムを堪能!!
車両を頭から突っ込むタイプの発着バースを備えた、ローカル路線バスの旅情が香る岩内ターミナルにバスが入線したのは出発の10分以上前だった。中型路線車の日野レインボーRJだ。
まぁ始発だからと、手洗い等々を済ませてからダラダラ歩いてバスのステップに足をかけると、既にそこそこの利用者があると気づいた。
ローカル路線バスによくある、どの座席でも選び放題なんてことはなく、むしろ空きが殆どない状態。最終的に全部の席が埋まった。立ち席が一人も出なかったのは偶然なのやら計算ずくのやら??
国道229号線が神恵内線のメインルートとなる。途中で枝分かれした道へ外れる区間も多少あるが、基本的には最初から最後まで229号線を道なりに進む、北海道らしい「まっすぐ」ルートだ。
岩内の町を出た後は、ずっと海沿いをトレースしていくため、進行方向右側は山・左側が海と、実に分かりやすい。
道中いくらでも海が見られるゆえ、オーシャンビュー路線として文句の付けようがない。元々かなり険しい地形だったと思われる区間も通過し、こんな場所によく道路通したな、と、土木技術への関心まで誘ってしまう。
出発時点で満席だった車内も、進むにつれて一人また一人と下車してゆき、出発から50分ほど経った神恵内を過ぎる頃には誰もいなくなった。やはり地元の足としての役割が大きいようだ。
岩内ターミナル〜神威岬間の距離は約52km。日本海を臨みつつ全区間を1時間36分かけて進み、14:16に神威岬バス停に到着した。運賃は1,540円だ。
■着いてからが正念場!?
滞りなく神威岬まで連れて行ってもらえたわけだが、問題は着いた後である。最もシンプルなのが、折り返しの岩内行きで来た道を戻る方法。14:31発で、もちろんこれが岩内行きの最終便だ。
神威岬バス停から神威岬の突端部分までは、遊歩道「チャレンカの小道」を通る徒歩移動となり、距離にすると1.2kmほどある。
さすがに往復2.4kmを15分で行って戻ってくるのは無理を感じる。せっかく来たなら景勝地をしっかり見たいとなれば、折り返しは企画倒れになってしまう。
札幌行きの「高速しゃこたん号」は到着時点で出発済みで、15:31発小樽行き路線バスの最終便を利用するのが唯一残された手段だ。
1時間15分あれば超余裕で周辺散策!! できると見せかけて、神威岬突端への遊歩道は起伏が激しく、小道という名の通り道幅も必要最低限。1.2kmといえど、平坦な道を歩くよりずっと時間がかかる。
普通に歩いて20分くらいで行けるが、突端での滞在時間を考慮に入れておかないと復路で肝を冷やすことになるので油断は禁物だ。圧巻の風景が広がる場所だけに、悩まされるところである。
ダイヤの都合であまり自由は利かないものの、景色の良い場所を通る上に時間的な乗りごたえも十分。海を組み合わせた乗りバス旅をやるには実に良い路線だ。
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