例年なら各所で桜の話題でもちきりになるところだが、今年は記録的に開花が早かったようで、3月のうちに見頃を終えた地点も多かった。一般的に桜は開花から約10日~2週間程度で満開、そして1週間くらいで徐々に花が散っていくといわれていて本当にあっという間である。そこで今回はそんな期間の間に撮影できた「桜とバスのある風景」を紹介する。満開の桜を見逃した方も桜気分を味わっていただければ幸いである。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■楠ヶ野バス停と下三瀬バス停(多気郡大台町)
まずは三重県大台町の三重交通の停留所だ。ここには国道42号線が走っており、あの長距離路線バスとして知られている「松阪熊野線」の経路上になっている。最初に紹介するのは、そのうちの楠ヶ野バス停である。
ここにはバス停の横に大きな桜の木があり、満開になるとバス停を覆うような桜を見ることができる。周辺には住宅は少なく、茶畑と道路の向かいにゴルフ練習場があるくらいなのだが、バス停にやってくる人を待っているかのように綺麗な桜が咲き誇っていた。
このようなバス停は周辺に数か所存在している。もう少し南の尾鷲市の方向に行くと「道の駅 奥伊勢おおだい」の手前に見えてくるのが下三瀬バス停である。
ここもバス停の横に桜の木がある。植えられた経緯は残念ながら分からないが、国道42号線沿いも含めて沿道や川の堤防など、綺麗な桜並木を見ることができ、春を感じながら桜を眺める絶好スポットになっている
ちなみにバス停の近くには北畠氏家臣である三瀬氏が築いたとされる三瀬砦跡(みせとりであと)という県の史跡にも指定された砦がある。そばを流れる大谷川の断崖をうまく利用し、要害の地となっている。
また砦を囲む土塁や古井戸などしっかりとした形で残っており、当時の雰囲気を感じることができるようなので、興味があれば待ち時間を利用して散策してみるのもいいだろう。
■庄村バス停(津市一志町其村)は走りのシーンを
続いてここから少し場所が離れるが、津市にあるバス停も紹介する。津市一志町にある庄村バス停である。前述のバス停は横に大きな桜が1本という構図であったが、ここは道路沿いに桜並木が続いていてその途中にバス停があるという感じである。バスの車窓からの景色も見事だ。
ここを走る路線は近鉄久居駅から当地を越えて西へと続いているのだが、その先にはこの地域の住民が利用する「とことめの里一志」がある。
ここは保健福祉施設や図書館、入浴施設のほか屋外には公園が整備されており夏にはヒマワリ、秋にはコスモスが広がる景色を楽しむことができる。もう少し足を伸ばして季節の花を楽しみながらゆっくりと温泉に入るのもいいだろう。