■1区間だけバスに乗る!?
さて内宮を退出して1区間だけバスに乗る。先に述べた神宮会館前までの1区間だ。外宮・内宮と参拝し、かなりの距離を歩いているのでたいてい疲れているはずだ。お腹も減ってきた。
そこで1日乗車券をフル活用して1区間だけバスを利用し「おかげ横丁」に向かう。内宮前から歩いてもいいのだが、目的のスポットまでは距離があるのでバスでショートカットし時短を狙う。
バス停から道路を渡っておかげ横丁に入る。おはらい町通りを右に曲がると、よく見ないとわからないところに三十三銀行のATMがある。急に俗的な話になるが、このATMから出る利用明細書にはここだけにしかない「おみくじ付き」のレシートになっている。現金を引き出すのであればここで運試しをしよう。
とりあえず記者も入って利用すると、なんと一発目で大吉を引き当ててしまった。おみくじの部分はミシン目が入っていて個人情報部分から切り離せるが、大吉を引き当て隣の「もめんや藍」に持っていくと木綿のしおりセットがもらえる。向かいの赤福本店に持っていくと赤福がもらえるので大吉のご褒美は選択制だ。
記者は運よく引き当てたのでしおりセットをいただいた。店員に聞いてみると、1日に3人程度大吉が出て来店する人もいるが、1週間全くでないときもあるとのことで、相当ラッキーな確率だとのこと。
神宮に参拝した御神徳なのかどうかは、それこそ「神のみぞ知る」だ。同行者には「これで持っている運をすべて使い果たした!」とからかわれたのも旅の思い出だ。
それから伊勢うどんを食べて再度バス停に戻った。伊勢うどんはスープのないうどんで、丼の底に少量の真っ黒い液体があるので、からめて食べるがこれは出汁の色なのでしょうゆのように辛くはない。
■そして猿田彦神社へ
神宮会館前から再度バスに乗り、次の猿田彦神社前で下車する。猿田彦神社は猿田彦大神を祀っていて、古事記によればニニギノミコト(天界の天津神)が天孫降臨の際に道案内を務めた地上の神様(国津神)で、その先導から道祖神・みちひらきの神として、交通安全や旅行安全の神様として崇敬される。
境内社として日本最古の芸能人(神)とされる、天宇受売命(アメノウズメノミコト)が祀られている佐瑠女神社がある。
ニニギノミコトと猿田彦大神を対面させたのが天宇受売命で、一説によると猿田彦大神の奥さんとなり猿女君(さるめのきみ)の称号を与えられ当地に納まったとされる。多くの芸能人が参拝するほか、天津神と国津神の縁を結んだことから縁結びの神様としても有名である。
猿田彦神社では、両社のお札やお守りの受けることができるほか、朱印も両社のものを記してくれる。
また当社の授与品の中には小さな本棚にも収まるほどの「御神符立て」が頒布されていて、お伊勢参りで多くの神札を授与されて家庭に神棚がない場合は、当社で御神符立てを頒布してもらうとよい。バス旅の安全を祈念するのも交通安全だけではなく旅行安全にも御神徳があるとされる当社が最適だ。
■スイーツなら赤福氷!!
猿田彦神社から徒歩数分の所に市営駐車場があるが、一角に赤福五十鈴川店があり、内宮や外宮に近い観光客があふれ混雑して買い物どころではない人気の赤福店だが、ここではそれほど苦労せず入れる。
ただしどのお店も17時には閉店してしまうので、お土産として赤福を購入する際は荷物にはなるが日中に済ませたい。
さて赤福のお店で夏にお勧めしたいのが赤福氷である。見た目は抹茶のかき氷だが、中にはまるで赤福を再現したかのような、あんこと餅が入っている。しかし赤福氷の場合は氷の中に入れるため製法が違うのだそうだ。暑い夏に歩き回り疲れた体に赤福氷は一服の清涼剤だ。
伊勢市駅に戻るバスに乗車するために地下道を通るが、ここには「内宮おかげ参道ハートの石」が埋め込まれている。これは人工物で色も違い見つけやすいのでじっくり探しながら歩こう。