「トンボ帰り」はできない!!
乗り鉄のド定番と言えば、来てすぐ帰る、である。しかし代替バスの木古内行きが来るのは15:59だ。この15:59で来た道を戻れば鉄道時代と同じ要領の行程となる。
ところが木古内まで出た先に軽いトラップが待っている。17:37に到着後、道南いさりび鉄道線函館行きの出発時刻は19:15。函館着が20時を回ってしまい、時刻的にちょっと遅くなるのだ。
この時点で「同じ行程」ではなくなってしまうものの、橋本町を15:22に出発する新函館北斗経由・函館行きのバスがあり、そちらを利用すると17:41に函館に着ける。
函館行きバスは代替バスと経路が異なり、ちょうど函館〜函館を一筆書きで行って帰ってくる形になる。
いずれにせよ江差で2時間以上の滞在時間が作れる。お昼時に到着するのでランチにちょうど良く、食事を済ませた後は周辺を散策して過ごせる。
江差の町で目を惹くのが、1868年に江差沖で座礁沈没した幕府海軍の軍艦「開陽丸」の実寸大レプリカだ。
中は記念館になっており、坂本龍馬が所持していたものとほぼ同型のスミス&ウェッソン製リボルバーの残骸群や各種銃弾砲弾、ビン・食器類など、本物の開陽丸から引き揚げられた遺物が展示されている。
開陽丸のすぐ隣に聳える「かもめ島」も散策用に整備されており、徒歩で島内を回って楽しめる。島の上から眺める日本海や江差の町は壮観だ。
帰りは木古内行き代替バスではなく15:22発の函館行き路線バスを利用することに。この日はトイレ付きの高速車相当の車両がやってきた。2時間以上の乗車時間を考えると嬉しい車両選定だ。
新函館北斗駅ロータリーで軽い交通障害が起きたのと、函館市内のラッシュ時間帯にかかったため30分遅延したが、ちゃんと函館駅前まで戻って来られた。
ダイヤの都合で今のほうが早発・早着になっているが、代替バスの片道利用なら鉄道時代からの時間的な変化は極端に大きなものではなく、総じて「ほぼ同じ」と考えてよい範囲であった。
運賃面では鉄道時代が帰りに特急を使った場合計3,800円だったのに対してバスは計4,320円。異なる事業者の交通機関を利用するため少し高くなるのは仕方ない。
ちなみに、代替バスの部分を無視して函館〜江差直通バスを往復利用すると運賃は3,800円なので、JR江差線時代と同額になる。
鉄道がバスに置き変わっても、函館〜江差日帰り旅は今も似たようなプランで行ける、と分かった。
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