■”非日常”を”日常”へ…まずは敷居の高さの払拭から!!
モータースポーツに関わる職業以外の人にとってサーキットは非日常の空間だが、ファンとして何度もレース観戦に訪れていれば、やはりそこは日常の一コマになる。つまり日常と非日常を分けるのは回数ということだ。
とはいえ、富士で第一回F1日本グランプリが開催されてからほぼ半世紀、日本では相変わらずモータースポーツはメジャーとは言い難く、圧倒的大多数の人々はサーキットに出かけて生でレースを観戦する経験を持ったことがない。
何しろ大抵のサーキットは人里離れた山の中。モータースポーツに興味が湧いたとしても、子供同士や女性だけでサーキットに訪れることはいろんな面で敷居が高い。
だがプラスアルファのもうひと押しがあれば、高い敷居を超えてでも行ってみようという気持ちも強まる。
これまた子供や女性にとってちょっと敷居の高い野外での生活と、サーキットの抱き合わせは「一粒で二度美味しい」効果を産み、これまでモータースポーツを観る機会のなかった人々が、ファミリーや友だち同士(もちろんカップルでもOK)が未体験ゾーンに足を踏み入れるきっかけになるのではなかろうか。
ル・マンの一般駐車場でテントを広げ、簡単な料理やワイン、ビールで乾杯し、寝袋で熟睡する人々の手慣れた様子を見ていると、もう何回、何十回と同じことを当たり前にしてきたことが容易に想像できる。
彼らにとってル・マンを始めとするモータースポーツイベントやキャンプは、「非日常」というよりも「スパン長めの日常」といったほうが近い。
多くの日本人にとってモータースポーツが「スパン長めの日常」になる日はそう急には来ないだろう。それでも二つのサーキットにある野外宿泊施設を通じてモータースポーツへの興味が湧き、一度レースを観てみようかと思う人が少しでも増えればもっけの幸い。
人々の生活の延長線上にあってこそ、その事象は『文化』となるのである。
【画像ギャラリー】非日常を日常へ!! 2つのグランピング施設に託されたモータースポーツへの思い(6枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方