若者とクルマは、今も付かず離れずの状況を続けている。次世代へ向けて、クルマ業界が動き出せば、クルマ離れは過去のものになるだろう。では、今の子供たちに対して、クルマは何ができるのか。その答えが、地方ディーラーで長く続く取り組みの中にあった。
文:佐々木 亘/画像:ベストカーweb編集部
【画像ギャラリー】宮城トヨタディーラーの取り組みおもしろすぎる! これは子供もクルマ好きになっちまうよ(4枚)画像ギャラリー幼少期の体験がクルマ離れを解決する一歩目
現在の子育て世代(30代~40代)の中で、クルマ好きが育った背景には、少なからず幼少期の両親との外出が関係していると思う。筆者も未就学児のころから、週末の買い物について行き、トミカを1台買って欲しいとねだっていた。
父親がカーディーラーに行く際には一緒に連れていかれ、新車のカタログをもらっては、食い入るように眺めていたと聞く。
次第に自分自身でもクルマ屋(ディーラーやカー用品店)へ連れて行ってもらうことが楽しくなり、クルマに乗ること、そしてその関連する場所に行くことが好きになった。三つ子の魂百までではないが、幼少期のこうした体験が、現在まで続く自動車への興味関心につながっている。
有名で大規模な自動車イベントは、まだまだ大人目線で作られているものが大半だ。加えて大人向けになっているため、乳幼児を連れていくことがハード面で困難なケースも多い。
筆者も父親になってから、様々なイベントを見て回るが、とても子供と一緒に安心して回れるものになっていないことを、身をもって感じた。
今の大人にイベントでお金を落としてもらうことも大切だが、未来へ向けた投資として未就学児がクルマに興味を持てるような工夫を、業界全体で今からしていくべきだと、筆者は考える。
【画像ギャラリー】宮城トヨタディーラーの取り組みおもしろすぎる! これは子供もクルマ好きになっちまうよ(4枚)画像ギャラリーほとんど子供向けコンテンツ!?自動車ディーラーが行う国際サーキット貸し切りの一大イベントとは?
地域密着のカーディーラーとして、宮城県内に78拠点を構える宮城トヨタグループ(通称MTG)が、毎年秋に行うイベントがある。スポーツランドSUGOのインターナショナルレーシングコースを貸し切りにする、MTGモーターフェスティバルだ。
MTGオーナー向けのインナーイベントで、クルマを買って(売って)終わりではなく、クルマの楽しさを体験してもらうことが目的。サーキットコースでの試乗や、多数のプロドライバーを呼び、その助手席でプロの技を体感できる同乗体験がウリである。
しっかりと大人向けに作られているイベントなのだが、いざ会場へ足を運ぶと子供連れの多さに驚く。特に目を引くのは未就学児の数。まだ歩く事ができない乳児がベビーカーや抱っこで、両親と散策する姿が、他の自動車関連イベントに比べて圧倒的に多いのだ。
それもそのはず、SUGOの広いパドックやピットの半分以上が、子供たちに向けたコンテンツで埋め尽くされている。ラジコンにミニ四駆、子供用のカート教室があるし、展示されている働くクルマには乗ることも可能。車体にお絵描きし放題の黒板カーなるものもあった。
また、ボッチャ、グラウンドゴルフといった子供が体を動かして楽しめるスポットや、子供の写真でピンバッジやマグネットを作れるブースまである。
プロドライバーが登場するステージでは、子供たちがジャンケン大会。勝ち残ると、サーキットコースのメインポストに上り、試乗中のクルマに向かってチェッカーフラッグを振るという貴重な体験もできるのだ。
会場内にいる子供たちからは、一様に笑顔で「また来たい」「また乗りたい」という声が、そこかしこから聞こえてくる。
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