■もはやFRプラットフォームは必要ない!?
しかしながら、このFRプラットフォームは今後、そもそも必要なくなってくる可能性がある。
昨今のセダンは、4WD化が想像以上に進んでいる。得に、ハイパワーエンジン搭載車になるほど、後輪駆動ではトラクション性能や、高い高速走行安定性が保てない。そのため、「FRである必要性」を見出しにくくなっている。
しかも現在は、4WD前提のSUVの方が開発優先度は高い。となると、人気が下火のセダンをあえて「FR前提」で作る理由が、ますますなくなるのだ。
電動化はインフィニティも避けては通れない。現在のQ50は、3.5Lガソリンエンジン+ハイブリッドグレードはFRのみだ。
そのため、そのQ50をベースに4WD化をするならば、「前輪を電動化したFRベースの4WD」も考えられるが、そもそも後輪をモーター駆動にしてしまえば、トランスファーやプロペラシャフト分のコストも不要となり、同時に軽量化と重量配分の適正化も果たせる。
フラッグシップの「象徴」として、後輪駆動がどうしても欲しければ、フロントの駆動ユニットを取り去ってしまえばよい。ホンダが発表した「HONDA e」のように、電動後輪駆動になっていく可能性は大いにあるだろう。
筆者の妄想だが、インフィニティのセダンの更新が遅れている理由は、もしかすると、こうしたセダン向けの新型電動プラットフォームも考えているのではないだろうか、とも考えられる。
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