クルマの限界性能を測るのであれば、(雪上よりも水を撒いたアスファルトよりも)「氷上」がベスト。本企画では、いまやトヨタのエースSUVといっても過言ではない売れ筋モデル「ヤリスクロス」を氷上に持ち込んで、自動車ジャーナリストの鈴木直也氏に試乗してもらった。
ヤリスをベースにしたSUVの限界性能はどれくらいなのか? 往復の高速道路440km(片道220km)での乗り味も含めて、じっくり分析していただいた。
文/鈴木直也 写真/西尾タクト
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■ヤリスクロスHVは月販1万台近くキープのバカ売れグルマ!
今回の目的地は長野県の女神湖。氷結した冬の女神湖はアイスドライビングのメッカとして知られているが、キリッと冷え込んだ高原の空気には、たぶんコロナウィルスも少ないはず。
タイミングよくスタッドレスを履いたヤリスクロス(ハイブリッドのFF)の試乗車があるっていうし、ベストカーWEBのT編集長と連れ立って関越道へと向かったのであります。
さて、ヤリスクロスHVだが、コロナ禍にも負けずここのところバカ売れなのはご存知のとおり。直近ではコンスタントに月販1万台近くをキープ。ヤリスと合算される車名別ランキングだと、15万1766台を売って2020年の登録車ナンバー1に輝いている(軽を含めると1位はN‐BOXの19万5984台)。
なんでこんなに売れるのかといえば、これはもうトヨタらしい商売のうまさだね。
まずは、尖兵となったヤリスが、新しいGA‐Bプラットフォームと新型3気筒エンジンを引っさげて先行デビュー。ウルトラ燃費を叩き出すハイブリッドで人気に火をつけ、「今度のヤリスはトヨタが本気で力を入れてる」という雰囲気を盛り上げる。
そこに畳み掛けるようにヤリスクロスを追加ですよ。
コンパクトSUVの人気が急上昇しているのは、ライズ・ロッキーが2020年上半期ベストセラーになったことでもわかってたけど、ヤリスクロスがライズ・ロッキー並みにお買い得価格で攻めてくるとは思わなかった。
FF1.5CVTのGが202万円。FFハイブリッドのGで239万円。オプションなしの“素”の価格ではあるけど、内容を考えると悪くない。
ライズ・ロッキー/ヤリスクロス/RAV4とトヨタのSUVラインナップが揃った中で、多くの人が「いちばんお手頃」と思えるのがヤリスクロスなんでしょうね。
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