トヨタ売れ筋モデル ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!

■走りも燃費も超優等生! 乗り心地は..?

 走りについても、ことドライバビリティと燃費に関しては超優等生といっていい。

 車重約1200kgに対してエンジンとモーターを足したシステム最高出力は116psだから、全開にしてもそれほどパワフルという実感はない。けれども、日常的な使い方ではモータートルク(14.4kgm)のアシストが効果的。ふだん使いのドライバビリティがいいのだ。

 パワコンの高出力化とリチウムイオン電池の採用で、ハイブリッドシステム出力は16%向上してるらしいけど、やっぱりハイブリッドに関してはトヨタは一歩先を行ってるという感じですね。

 ただ、ドライバビリティと燃費は文句ないんだけど、足回りがBセグのアベレージにとどまっているのが惜しい。

 課題が残るのは乗り心地。たとえば、市街地スピードで路面ジョイントを越えた時や、ふつうに高速を巡航しているような状況。もうちょっとスムーズに走って欲しいんだけど、細かい路面のアンジュレーションがフロアを通じてドライバーにぷるぷる伝わってくる。

いまやトヨタのエースSUV ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!
ベースとなったヤリスと比較してみると、ヤリスよりももっと落ち着いていて挙動が穏やかである

 最近のトヨタ車はこの辺の処理が上手になってきていたはずなのに、ヤリスクロスはここがんまり感心しない。今回はスタッドレスとのマッチングが今ひとつだったのかもしれないが、これだったらヤリスの方が固めながらシャッキリしててむしろ一貫性がある。

 ま、乗り心地の質感には不満はあったけれど、蓼科周辺の山道を走ってみるとハンドリングそのものは悪くない。

 ベースとなったヤリスはコンパクトHBらしいキビキビ軽快なフットワークだが、ヤリスクロスはもっと落ち着いていて挙動が穏やか。ロールスピードもバネ上の動きもゆっくり動くように味付けされている。

 高速で不満を感じた乗り心地も、サスペンション入力の大きい山道ではそれほど気にならず、こういうシチュエーションでは操安と乗り心地のバランスはOKといっていいんじゃないかと思う。

■ついに氷上! 忍耐力とアクセルワークの修行

 そんでもって、4時間ほどのドライブで到着しましたよ、女神湖。一泊して翌日は朝からベストカークラブのみなさんと氷上で滑りまくって遊ぶという趣向だ。

 明ければドピーカンの快晴。女神湖の氷上は毎日のように走行会が開催されているから、コースは基本的にツルピカに磨き上げられたミラーバーン。クルマから降りると立っていられないくらいミューが低いから、どんなスタッドレスを履いていてもツルツル滑りまくる。

 しかも、最初に書いたとおり今回のヤリスクロスは4WDではなくFF。アンダーを殺すとかいうレベルではなく、どうやってアンダーと折り合いをつけるか。忍耐力とデリケートなアクセルワークの修行という感じでした。

いまやトヨタのエースSUV ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!
今回は4WDではなく、FF どうやってアンダーと折り合いをつけるか..

 前輪のグリップに全神経を集中して、歩くくらいのスピードで定常旋回や8の字旋回を続けていると、微妙な路面ミューの変化でわずかにグリップが変化するのがわかる。

 そこを一定のアクセル開度で抜けるか、あるいはわずかにトルクを出し入れしてやってほんとに微小な荷重移動を与えてやるか、これがけっこうクルマに発生するヨーモーメントの違いとなって現れてくる。

■コントロール性良好!氷上走行は面白いドライブだった

 ヤリスクロスで走っていて気づいたのは、モーター走行時のコントロール性のよさ。定常円旋回では時速5km/hも出ないから、ハイブリッドモードでもほぼEV走行。こういうデリケートなアクセルコントロールで、小さなトルクを加減するシチュエーションでは、これがやっぱりエンジンよりコントロールしやすいわけです。

 さすがにここまでデリケートな運転というのは、普段ではまずありえないのですが、そこでのコントロールがきちんと結果に反映されるのが氷上走行の面白いところ。時を忘れて、しばし練習に熱中してしまった女神湖氷上ドライブでありました。

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