ベストカー本誌にて、ハイテクから新サービスまで、あらゆる最新技術を解説している人気連載記事「近未来新聞」。
今回はこちらから、ETCの新サービス、トヨタに自動運転、アップルカーの話題などをご紹介!
●トピック
・ETCの新しい利用法「ETCX」がスタート!
・リフト買収劇の真相はトヨタの人材不足?
・アップルカーの委託先はLGとマグナが濃厚か
・【番外コラム】20秒ニュース×3
※本稿は2021年5月のものです
文/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年6月26日号
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■ETCの新しい利用法「ETCX」がスタート!
普及率が90%を突破し、高速道路ドライブには欠かせなくなったETC。このETCに新たなサービスが登場した。名前はETCX(イーティーシーエックス)。
ETCの仕組みを使って、駐車場やガソリンスタンド、ドライブスルー店舗などの支払いをキャッシュレス化しようという取り組みだ。
利用方法だが、すでにETCを利用している人であれば、ネットの専用サイトから会員登録すればOK。登録料や年会費はかからず、ETC2.0/1.0の区別もない。
注意したいのは、ETCとは事業主体が異なるため、ETCで使っているクレジットカードがそのまま使えず、再度カード登録が必要な点だ。
今のところイオンやセゾンなど5社しか対応していないとのことだが、これについては順次追加されるそうだ。
利用可能施設だが、これまた現状は寂しくて、新名神高速道路の鈴鹿PA上り線にあるドライブスルー店舗「ピットストップSUZUKA」のみ(汗)。
鈴鹿タイヤ焼き(200円)や肉巻きおにぎり串(500円)といった軽食類が、お財布を出さずに購入できる。
ちなみにETCXは高速道路のように「走りながら決裁」はできなくて、必ず一時停止が必要だそうだ。利用施設の充実を期待したい!
■リフト買収劇の真相はトヨタの人材不足?
トヨタがアメリカのライドシェア大手、リフトの自動運転部門を約590億円で買収すると発表した。同社は先月、MIRAIとレクサスLSに「アドバンスドドライブ」という最新の運転支援システムを導入したばかりだが、技術の進化にはまだまだ力が必要と感じているようだ。
遡るとトヨタは、2019年にウーバーと滴滴出行という米中双方のライドシェア大手に、2020年には中国の自動運転ベンチャー、ポニーAIに、今年に入ってからは米の自動運転ベンチャー、ニューロにと、先端技術を持つ企業へ次々出資を行ってきた。
今回のリフトもその延長線上にある動きだが、自動運転部門をまるごと買収してしまった点は大きく異なる。
その狙いだが、トヨタがかねてから憂慮している「ソフトウェア人材の不足」を補うためと筆者は予想する。
リフトの自動運転部門はアメリカとイギリスに合計300名いるそうだが、これをトヨタの自動運転部門ウーブン・コアに合流させるとおよそ1200名の開発体制が整うという。
この数字は、自動運転の最前線にいるウェイモやオーロラ、GMクルーズに次ぐ規模であり、トヨタが世界で戦うためには絶対確保したい戦力なのだ。
人工知能やロボット工学に長けた人材は世界的な争奪戦が続く。日本車が世界で生き残るためにも、トヨタには優れた人材を確保してほしい。
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