昨年末から国交省内部で議論が開始、区分は10車種まで増やせる?
つまり、「同じ区分になっているバイクと軽の料金を、時代の変化に合わせて見直すべき」と読み取ることができる。
現在の料金比率は普通車を1として、バイクおよび軽自動車等が0.8、中型車が1.2、大型車が1.65、特大車が2.75。この料金体系になったのは1988年で、軽の排気量と車格が小さい時代だった。しかし1998年に軽は+110cの660cが上限となり、車格も大型に。近頃は車重も普通車に近づき、バイクとの差は大きく広がっている。
バイクは、クルマより軽量コンパクトなため、道路を専用するスペースが小さく、路面に与える損傷度も低い。日本自動車工業会によれば、バイクの専有面積は軽自動車の3分の1以下、タイヤ1輪あたりの平均荷重は軽の半分となる105.5kgだ。
これらのデータを元に二輪業界では、バイクの高速料金を普通車1に対して0.5とするように国交省および高速道路会社に働きかけているが、いよいよ、この不公平が是正される時が来るかもしれない。
また、この答申が発表される約1か月前、車種区分見直しを裏付ける発言もあった。二輪高速料金を「普通車の半額」に適正化すべく活動してきた、自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム。その座長である逢沢一郎議員が6月30日、「二輪業界の明日を語る会」で講演を実施した(主催:オートバイ政治連盟)。
「実は国土交通省では、行政内部の正式な会議で高速道路の料金について現在の5車種区分のままでいいのか、という真剣な議論が既に始まっています。最近の軽自動車は立派になり、広いし価格も高く、車重も増えている。いわゆる昔の軽自動車から、だいぶ変わってきています。それを考えると、軽と二輪をひとくくりにするにはどう考えても無理があります」と話した。
なお、こうした議論は昨年暮れから始まったようだ。さらに、非公式としながら「システムは当初から、少なくとも区分を10車種まで増やせる設計になっている」との踏み込んだ話も紹介された。ここまで細分化できるなら、二輪料金の独立には対応できるとみて間違いはなさそうだ。
軽の料金が普通車に接近し、バイクはそのままの可能性も?
料金区分を見直し、いつでもどこでも普通車の半分になることがライダーの望む答え。今回の答申は、その理想に向けて大きな希望となりそう……だが、懸念もある。情報筋によると、「軽の値上げが検討されている」らしいのだ。
つまり、軽とバイクの料金区分が分離したとしても、バイクは値下げされずそのままに、「軽の値上げ」で終わる可能性がある。額は不明だが、普通車の料金に近づくのかも知れない。
そう考えると、答申の文言も「二輪の値下げ」ではなく、「軽の値上げ」を示唆しているように見えるのだ。
しかし、それは答申にある「車種間の不公平感が生じないような区分」とは言い難い。軽の値上げによる区分独立ではなく、あくまでバイクは普通車の半額とすべき。今後も動向を注視していきたい。
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