バイクは値下げ? 軽は値上げ? 国交省が高速料金の見直しを検討へ

バイクは値下げ? 軽は値上げ? 国交省が高速料金の見直しを検討へ

 ついに念願の二輪料金値下げが近づいてきた? ――現在、高速道路は5車種の料金区分が設けられ、バイクは軽自動車と同じ額を支払っている。ところが、国土交通相の諮問機関がまとめた答申に「二輪と軽自動車の車種区分見直し」を示唆する文言が掲載された!

 20年以上、二輪業界や国会議員らが割高な料金設定を見直すよう求め続け、2022年4月からバイクの高速道路料金を定率で値下げするプランがスタートすることになった。このプラン、土日祝日限定など様々な条件が付き、使い勝手に疑問は残る。しかし、「二輪料金区分が独立化」し、恒常的に値下げする「次のステップ」が早くも見えてきた?

文/沼尾宏明 写真/市本行平

【画像ギャラリー】この答申はもしかしたら軽自動車や普通車の値上げを示唆?


バイクと軽自動車の料金分離が道路部会の答申で公式に検討された

 東京オリンピック&パラリンピックの大会期間中(7月19日~8月9日および8月24日~9月5日)の6~22時、首都高の料金が1000円上乗せされ、一般ライダー及びドライバーから非難の声が上げられたのは記憶に新しい。

 その渦中である8月6日、国交相の諮問機関である国土幹線道路部会がまとめた中間答申「持続可能な高速道路システムの構築に向けた制度等のあり方について」の中に、ライダーにとって気になる文言があった。

 現在、高速料金は5車種(バイクを含む軽自動車等、普通車、中型車、大型車、特大車)あり、この区分を見直すよう検討を求めているのだ(以下引用)。

答申の主なものは2065年とされている高速道路の無料償還の延長について。他にも料金制度のところで東京五輪のようなロードプライシングの導入や車種区分の検討も盛り込まれている

 現行の5車種区分を決定してから30年以上が経過しており、その間、社会的なニーズ等に合わせて、車両諸元や高速道路の利用状況が変化してきた。その結果、二輪車と軽自動車との間の諸元の差が拡大傾向にあること等を踏まえれば、車種区分の基本的な考え方である、占有者負担、原因者負担、受益者負担の3つの考え方を踏まえ、今後の車種区分のあり方について検討する必要がある。

検討にあたっては、各負担に関する最新の知見を踏まえた上で、二輪車と軽自動車のみではなく、普通車から大型車・特大車までの車種間の不公平感が生じないような区分とすることが重要である。

東京オリンピック期間中に導入されたロードプライシング。首都高速道路会社によると「(料金収受システムの改修に)かかった費用は大会期間中につき、まだ精査しておらず不明」とのこと

昨年末から国交省内部で議論が開始、区分は10車種まで増やせる?

 つまり、「同じ区分になっているバイクと軽の料金を、時代の変化に合わせて見直すべき」と読み取ることができる。

 現在の料金比率は普通車を1として、バイクおよび軽自動車等が0.8、中型車が1.2、大型車が1.65、特大車が2.75。この料金体系になったのは1988年で、軽の排気量と車格が小さい時代だった。しかし1998年に軽は+110cの660cが上限となり、車格も大型に。近頃は車重も普通車に近づき、バイクとの差は大きく広がっている。

 バイクは、クルマより軽量コンパクトなため、道路を専用するスペースが小さく、路面に与える損傷度も低い。日本自動車工業会によれば、バイクの専有面積は軽自動車の3分の1以下、タイヤ1輪あたりの平均荷重は軽の半分となる105.5kgだ。

 これらのデータを元に二輪業界では、バイクの高速料金を普通車1に対して0.5とするように国交省および高速道路会社に働きかけているが、いよいよ、この不公平が是正される時が来るかもしれない。

 また、この答申が発表される約1か月前、車種区分見直しを裏付ける発言もあった。二輪高速料金を「普通車の半額」に適正化すべく活動してきた、自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム。その座長である逢沢一郎議員が6月30日、「二輪業界の明日を語る会」で講演を実施した(主催:オートバイ政治連盟)。

逢沢議員は、まず2022年4月にスタートするETC搭載バイクの定率割引プランが実現するに至った経緯を述べ、さらに料金区分について踏み込んだ発言をした

 「実は国土交通省では、行政内部の正式な会議で高速道路の料金について現在の5車種区分のままでいいのか、という真剣な議論が既に始まっています。最近の軽自動車は立派になり、広いし価格も高く、車重も増えている。いわゆる昔の軽自動車から、だいぶ変わってきています。それを考えると、軽と二輪をひとくくりにするにはどう考えても無理があります」と話した。

 なお、こうした議論は昨年暮れから始まったようだ。さらに、非公式としながら「システムは当初から、少なくとも区分を10車種まで増やせる設計になっている」との踏み込んだ話も紹介された。ここまで細分化できるなら、二輪料金の独立には対応できるとみて間違いはなさそうだ。

自民党二輪車問題対策プロジェクトチームの座長、ならびに自民党オートバイ議連の会長を務める逢沢一郎議員。高速料金を含め、二輪環境の改善を進めてきた

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