■徐々に力をつけていたホンダPUを搭載したレッドブルがついに優勝した
レッドブルはホンダPUのパフォーマンスに感銘を受け、翌年2019年にレッドブル本体への搭載を決め、その年の内に何と優勝を成し遂げてしまった。第一期は2勝、豪快な第二期を飛ばして第三期は1勝、そして第四期は挑戦5年目にして何と3勝を果たしてしまったのだ。
以後2020年はトップコンテンダーの一角を成し、第四期トロロッソからのセカンドスティントでの目標を達成するも、ホンダはF1撤退を発表。
これでホンダF1は全てのプロジェクトを前倒しにして、今年2021年には第四期初期の“サイズゼロ”に新たな挑戦を開始。全く新しく異様な程コンパクトなホンダPUは確たる信頼性を持ちながらも、パフォーマンスも大幅に向上、開発上限に迫ったメルセデスに詰め寄り、ついにメルセデスの上を行くまでに至った。
■終わりよければ全て良し。2021年レース終了をもってホンダはF1を撤退する
もちろんホンダだけでなく、レッドブルチームとドライバー軍団との三位一体の強固なコラボのトライアングルがあってこその勝利、まさにレッドブル・ホンダはワン・チームを実践して見せたのだ。
終わりよければ全て良し。ホンダF1の集大成、2021年はホンダF1史上おそらく最高の一年であったはずだ。
TETSUO TSUGAWA
TETSU ENTERPRISE CO, LTD.
津川哲夫
1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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