■自動車産業の衰退は国の衰退につながる
今回の記者会見で豊田会長が強調したのは、「日本という国」において自動車産業が最大級の貢献をしているかということ。豊田会長のコメントをまとめると、「直近の2年間で雇用は22万人増。平均年収500万円であれば家計に1兆1000億円のお金を回している。平均賃上げ率は2.5%で全産業トップ水準。自動車メーカーの12年間の累計納税額は10兆円、株主還元は11兆円」。
そのうえ、自動車を所有/利用することによって国に入る税金だって巨額。こういった数字を見ると、自動車産業が衰退したら日本も衰退するということも明々白々になる。といったことをバックボーンとしたうえで豊田会長は「みんなで頑張っていきましょう!」という基本スタンスを紹介した。確かに自動車産業の次は育っていない。ここが踏ん張りどころだと強く思う。
■新車購入時に課される税金の改革などは急務
具体案は税制改革と保有期間の短縮化。例えば、現在15年の保有サイクルを10年にすると、日本の年間市場規模が500万台から800万台になる。これだけで7.2兆円の経済効果になるという。
参考までに書いておくと、日本で発生する大半の中古車は海外に輸出されていく。新車輸出を禁止している新興国が多いなか、中古車だとさまざまなルートもあるようだ。保有年数が5年短くなると、中古車の質も上がる。
そのため、新車を買う時に徴収される罰則的な税金などの改革が必要だという。気軽に買い換えられたら自動的に保有サイクルだって短くなる。同時に二酸化炭素削減のため、燃費のいい新型車が増えていくという環境面でのメリットだって大きい。
豊田会長のアピール、自動車業界にとって「そうだよなぁ」と思えることばかり。今後もこの調子で自動車産業を引っ張って行っていただきたい。
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