価格はレブル250より手頃、人気はSTDの方が高い
そして第二のポイントは「価格」。「スタイルがカッコイイ」とネットで調べてみると、税込55万円(S=59万4000円)と意外にも手頃で、ワンクラス下のレブル250(59万9500円)よりも安い。
一方、乗り味の面では、足着き性で評価が別れるという。
シート高はやや高めの800mmで、サイドカバーがやや張り出し、身長160cm前後だと足が届かない場合も。そのため女性の割合は「10%いかない程度。GBにまたがってみて、足着きの関係でレブルの購入に至るケースがあります」という。
ちなみにレブル250はシート高690mm。男性:女性の購入層では8:2程度とのことだ。自工会の2019年度調査では、大型オンロードバイク購入者の女性比率は1%。400ccクラスで4%、250ccクラスで7%。GBの女性人気は決して低いわけではなく、レブルが突出して高いのだ。
なお、STDとSグレードでは、6:4か7:3程度でSTDが人気。やはりスポーティなスタイルのSより、クラシカルなフォルムのSTDが好まれている。
車体色に関しては、STDではマット系(青、黒)を選ぶ人が多め。赤はやや年齢層が高かったり、実車を見て高級感のある色味が気に入るケースがあるという。Sは、グレーが人気だ。
使い方としては、「ロングツーリングではなく、ライフスタイルに寄り添った街乗りなどの用途が多いようです」という。
最新技術で実現、全域での「気持ちよさ」
続いて、開発の背景とインプレについても簡単に触れ、人気の理由を探ってみたい。
開発にあたっては、「日常から遠出まで~The Honda Basic Roadster」をコンセプトに掲げた。
開発の指標には数値化できる「性能」が掲げられることが常だが、GBでは180度異なり、「気持ちよさ」を追求。バイクの気持ちよさとは、エンジンの「鼓動」であり、鼓動=心地よい振動+排気サウンドと定義して、パワーユニットの開発に落とし込んでいる。
これが見事なまでに成功しているのだ。
鼓動は明確に感じられるほどに分かりやすく、乗れば誰でもすぐに味わいが感じられるはず。発進で「ド、ド、ドド、ドドド」と加速していく時や、シフトアップした際に一度落ちた回転を上げていく時はもちろん、巡行しながらでも明確に鼓動が感じられ、気持ちいい。
また、ホンダが打ち出した鼓動の定義に排気サウンドがあるが、これも歯切れがよくトルクの立ち上がりと連動して耳に入ってくる。
そして感心したのが、乗っている時間の全てで気持ちいいということ。これはかなり重要で、一般的に鼓動感が強いと言われるモデルでも、実際に鼓動が気持ちよさに直結するエンジン回転域が低速のわずかな領域にしかない場合もある。
加えて、テイスト系のバイクは多く存在するが、どれもが狙って作られたわけではない。
ところが、GB350は公道で走行する0~100km/hの速度域の全てで気持ちよく走れる。高度なテクノロジーで気持ちよさを徹底的に追求し、ピュアな鼓動の味わいを新車で生み出すことに成功しているのだ。
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