引き算の美学で機能美を達成、ライポジはカブを参照!
外観デザインについては、「Massive & Shaped Design」がテーマ。簡単に言えば「抑揚」だが、バイク本来の美しさを“機能美”と捉え、“それがどう進化してきたのか”への想いを注いだ。
余白や引き算の考えも必要だった。部品一つひとつのサイズや形状、配置、素材と表面処理。車体全体ではそれら相互の響き合いも関わるため、各技術領域のメンバーが協力し合い、何度も設計し直して今の姿に行き着いた。
さらに、またがった状態でライダーの存在が際立つ車体構成も狙った。そのため、スッと伸びた上半身と車体側面に自然とヒザが位置する、堂々としたライポジとしている。
ライポジに関しては、通常のバイクより多くの人に受け入れられているスーパーカブやスクーターに近いものを採用。積極的にニーグリップしなくても、安心して扱える車体重心を設定したという。
スポーティさより、普遍的なバイクらしさが求められている
ホンダドリーム江戸川の話を聞いて、1989年発売のゼファー(400)に端を発し、90年代前半に巻き起こったネイキッドブームを筆者は思い出した。
当時は高性能&高価格化が進んだフルカウルのレーサーレプリカに対し、買いやすい価格と適度な性能、そしてバイクらしいスタイルのネイキッドが投入され、大きく支持された。
現代でも構図は似ており、最近まで人気だったフルカウルの250スポーツに対して、より安価で性能を求めず、いかにもバイク然としたネイキッドのGBやレブルが時代にマッチしたと言えないだろうか(もっともレプリカ~ネイキッド時代と比べ価格と性能差はさほどないが)。
さらに、現代の優れた技術でレトロなスタイルと、クリアな味わいを狙って両立しているのがGBの新しさだろう。
あとはコロナ禍が落ち着いて生産台数が増え、GB350の楽しさが多くの人に触れられるようになることを祈るばかりだ。
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