受注脅威の9000台超!! ホンダ二輪シェア倍増の立役者GB350はなぜ売れる?

引き算の美学で機能美を達成、ライポジはカブを参照!

 外観デザインについては、「Massive & Shaped Design」がテーマ。簡単に言えば「抑揚」だが、バイク本来の美しさを“機能美”と捉え、“それがどう進化してきたのか”への想いを注いだ。

 余白や引き算の考えも必要だった。部品一つひとつのサイズや形状、配置、素材と表面処理。車体全体ではそれら相互の響き合いも関わるため、各技術領域のメンバーが協力し合い、何度も設計し直して今の姿に行き着いた。

 さらに、またがった状態でライダーの存在が際立つ車体構成も狙った。そのため、スッと伸びた上半身と車体側面に自然とヒザが位置する、堂々としたライポジとしている。

 ライポジに関しては、通常のバイクより多くの人に受け入れられているスーパーカブやスクーターに近いものを採用。積極的にニーグリップしなくても、安心して扱える車体重心を設定したという。

ライダーがまたがった状態での美観も追求。頭と前後アクスルシャフトが二等辺三角形を形作り、さらに腰下に水平のラインを通すことで安定感のあるシルエットを獲得した
ライダーがまたがった状態での美観も追求。頭と前後アクスルシャフトが二等辺三角形を形作り、さらに腰下に水平のラインを通すことで安定感のあるシルエットを獲得した

スポーティさより、普遍的なバイクらしさが求められている

 ホンダドリーム江戸川の話を聞いて、1989年発売のゼファー(400)に端を発し、90年代前半に巻き起こったネイキッドブームを筆者は思い出した。

 当時は高性能&高価格化が進んだフルカウルのレーサーレプリカに対し、買いやすい価格と適度な性能、そしてバイクらしいスタイルのネイキッドが投入され、大きく支持された。

 現代でも構図は似ており、最近まで人気だったフルカウルの250スポーツに対して、より安価で性能を求めず、いかにもバイク然としたネイキッドのGBやレブルが時代にマッチしたと言えないだろうか(もっともレプリカ~ネイキッド時代と比べ価格と性能差はさほどないが)。

 さらに、現代の優れた技術でレトロなスタイルと、クリアな味わいを狙って両立しているのがGBの新しさだろう。

 あとはコロナ禍が落ち着いて生産台数が増え、GB350の楽しさが多くの人に触れられるようになることを祈るばかりだ。

【画像ギャラリー】GB350にはスポーティなGB350Sもある!(11枚)画像ギャラリー

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