最近では法人向け、営業車グレードなどとも言われるようになったベースグレード。個人ユーザーには、中間グレードから上をおススメしますと大々的に言われているような気がして、少し悲しい。さらに、モノグレードで登場する新型車も増え、ベースグレードの存在が希薄になってきた。そんな今だからこそ見直したいのが、ベースグレードの価値。最廉価グレードでも十分なトヨタ車を3台紹介していこう。
文:佐々木 亘/写真:ベストカー編集部
■シエンタもシンプルだけど必要十分!!
シエンタの最廉価グレードはガソリン5人乗りのX(195万円)だ。こちらを中間グレードのGにそっくりそのまま上げると、車両本体価格は230万円まで上がる。
その差は35万円だが、大きく何が変わるのか見ていこう。
内装色はGではカーキとブラックを選べるものだが、Xではブラックのみ。また、Xではダークグレー・スカーレットメタリック・グレイッシュブルーの3色と、ツートーンカラーのボディ色を選べなくなる。それでも基本の4色から選ぶことはでき、選択肢としては十分だ。
装備類では、メーカーオプションのアルミホイールが選べないとか、電動スライドドアが助手席側のみとか、マニュアルエアコンになる程度の変更点。そもそも不要というユーザーも多いはず。
ただし、Xグレードでオプション選択しておきたいのが、スマートエントリー&スタートシステム(3万5200円)だ。標準ではジャックナイフタイプのワイヤレスキーが付属となるので、使い勝手が悪い。
それでもまだまだ30万円近く安いシエンタのベースグレード。必要十分な装備は揃っている。
■大人気のプリウスも!! 実はベースグレードがお得!!
法人向けグレードという扱いをされているが、個人ユーザーも選ぶことができるプリウスのエントリーグレードX。ZとGは2.0Lエンジンを搭載するが、Xは1.8L。同じ1.8Lを搭載するUがKINTO専用グレードなので、個人ユーザーが1.8Lを求めると、購入対象となるのはXだけとなる。
Xグレードの車両本体価格は275万円。販売店で購入できる一つ上のグレードはG(320万円)なので、ここと比較していこう。
価格差は45万円とかなり大きい。Xでは、ボディカラーが白とシルバーしか選べない、ディスプレイオーディオがオプションなど、我慢する部分もあるが、後付けや社外品で解決できる。
なにより、新しくなったプリウスを、先代に近い価格帯で楽しめるのは大きなメリットだ。ベースグレードだからと言って、クルマの基本性能が大きく劣るわけではない。
高級路線のハイブリッドカーとしては物足りないが、これまでのプリウスの延長線と考えれば、Xグレードでも十分に新型プリウスを体感できる。さらにZやGよりも納期が短く、ユーザーにも優しいのだ。
■クラウンクロスオーバーもベースグレードがお得!! 高級車だからこそ選びたいグレードかも!?!?
高級車を選ぶなら中間グレード以上をと考えるが、ベースグレードのクラウンも悪くない。中間グレードのGが475万円にたいして、ベースグレードのXは435万円。その差額は40万円だ。
Xではボディカラーが絞られるが、基本の白・銀・黒は揃っている。見た目の安っぽさもそれほど感じない。
Gとの装備比較でも、インナーミラーが通常の防眩になること、ワイパーの雨滴感応式が無いこと(車速感応式)、ディスプレイオーディオが装着されない、テレスコやシート操作がマニュアルとなる程度。
特にXは、最近のトヨタでは珍しいオーディオレスの6スピーカーとなる。差額の40万円があれば、社外ナビとバックガイドモニターをセットにしてもお釣りが来るし、他人とはちょっと違うクラウンを楽しむのに適している。
オリジナルカスタムを楽しむなら、ベースグレードの方が良いこともある。ベースグレードの価値を、ぜひ見直して欲しい。
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