一気に寒くなった日本。クルマの冬支度は色々とあるが、実はディーゼルエンジンの燃料である軽油にも冬用があることはご存知だろうか? 今回は冬用の軽油の存在意義や夏用との違いを紹介していく。
文:西川昇吾/写真:ベストカー編集部
【画像ギャラリー】冬になると軽油の種類が変わるってマジ?? ディーゼル車オーナーなら知っておきたい知識!! (1枚)画像ギャラリー■タイヤだけじゃない!! 冬に向けて変わる大切なものとは!?
なぜ冬用の軽油が用意されているのか?それは凍ってしまうからだ。
凍ると言っても水を凝固させて作った氷のようにカチカチになってしまう訳ではない。
ここでの「凍る」とは軽油に含まれるワックス分が分離してしまいシャーベット状に凍結してしまうことを指している。
「完全に凍らないのであれば大丈夫じゃない?」そんな声があるかもしれないが、燃料の流動性が無くなると燃料フィルターや燃料ラインを積まれせてしまう。
エンジン不調の原因となってしまう。最悪の場合はエンジンがストップしてしまうのだ。
寒い中エンジンが止まってしまったら暖房も使えない。そんな中レッカーを待つなんてことは考えただけで恐ろしい。
■実は軽油は5種類ある!? 特徴を解説!!
実は軽油は5つの種類が販売されている。
特1号、1号、2号、3号、特3号の5つだ。これらの分かりやすい主な違いは流動点だ。
特1号は+5℃とされているが、特3号は-30℃とされている。流動点は凝固する直前の温度を示していて、特1号ならば5℃、特3号ならば-30℃で凝固し始める。
普段何気なく入れている軽油かもしれないが、季節と時期によってこの軽油は販売会社によって使い分けられているのだ。
ただ、特3号を使うのは限定的で、1~3月の北海道の南部を除くエリアのみとなっている。(石油連盟データより)
これは凍りにくい軽油は着火しにくく、エンジンの性能や燃費に影響を及ぼすからだ。
なお、冬場に特3号が発売されている北海道の一部エリアでも、7~8月は特1号が販売されている。
■暖かい地域から寒い地域への移動は注意
軽油の性質やエリアによって販売されている種類が異なることはここまで説明した通りだ。
もしかすると気づいた人がいるかもしれないが、夏場ならば問題はないが、冬場にディーゼル車で暖かい地域から寒い地域に移動するときに注意が必要になる。
暖かい地域で満タンにして目的地を目指し、目的地について宿泊、さぁ行動開始となった時に軽油が凍ってエンジンが始動しないなんてトラブルがある。
長距離移動の際は満タンスタートを行いがちだが、目的地が寒い地域の場合は目的地まで少し余裕を持った残量にしておいて、目的地に着いてから給油するのがいいだろう。
また、自走でなくても北海道にフェリーで行くといった場合も注意が必要だ。軽油を使用して寒い地域に行く場合は安全のために燃料は「現地モノ」を出来るだけ使用することを心がけた方が安全のためと言える。
寒い地域でエンジンがかからなくなって救助を待つなんてことになったら、場合によっては生死に関わるかもしれないからこそ意識してほしい。
寒い地域へ移動する人は軽油の種類を意識して、安心安全な長距離ドライブにしよう。
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