「AT車は、信号待ちで、シフトをN(ニュートラル)にしたほうがいい」——そんな話を聞いたことはありませんか? Nのほうが燃費がよくなる、などの理由で推奨する声もありますが、実は、現代のAT車では「N」に入れることは意味がないばかりか、かえってリスクがある行為。AT車は信号待ちで「N」に入れないほうがいい3つの理由についてご紹介します。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_あんみつ姫/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】AT車は信号待ちで「N」に入れないほうがいい3つの理由と事情(7枚)画像ギャラリーNレンジでの信号待ちはむしろ燃費を悪化させる
エンジン(モーター)の動力を駆動系に伝えるDレンジやRレンジとは違い、選択することでエンジン(モーター)と駆動系が完全に切り離された状態となるNレンジ。
駆動系とエンジン(モーター)が切り離されることで、燃費がよくなると考える人がいるようですが、それは昭和の時代のクルマの話。昨今のクルマには、アイドリング中の燃料消費を低減する「ニュートラルアイドル制御」という、Dレンジでも以前ほど燃料消費をしないシステムが採用されていますが、Nレンジでは、Dレンジと違って燃料カットは入らないため、アイドリング維持の燃料を使ってしまいます。
Dレンジに入れてブレーキを踏んで待機している状態は、トルクコンバーターに負荷がかかるため、燃料カットの制御が搭載されていなかった時代のクルマであれば、Nレンジにいれたほうが燃料消費を抑えられたかもしれませんが、現代のクルマでは、むしろ逆効果なのです。
Nレンジと燃費に関しては、下り坂でNレンジを使うと燃費がよくなるという説もありますが、こちらも同様です。エンジン負荷が低い下り坂を走行中は、Dレンジだと燃料カットの制御が入るので、エンジンは回転を続けていても、ガソリンは消費しないのです。長い下り坂では、フェード現象やベーパーロック現象に陥ることを防ぐため、エンジンブレーキを使用する必要がありますが、Nレンジにいれてしまうとエンジンブレーキが使用できないため、かえって危険な状態に陥ってしまう可能性もあります。

ハイブリッド車では回生充電がされない
さらにハイブリッド車の場合は、Nレンジでは回生充電がされない、というデメリットがあります。ハイブリッド車は減速時に、Dレンジであれば回生ブレーキが働き、バッテリーに電力が充電されますが、Nレンジでは回生ブレーキが利かないため充電がされないのです。停止中も、発電するためエンジンが回転していたとしても、Nレンジではバッテリーに充電がされません。
電力で走行する時間が長いほど燃費は改善しますので、充電が出来ないNレンジで減速すると、燃費が悪くなる要因となってしまいます。
誤発進に繋がるおそれも
信号待ちでNレンジにいれることはまた、誤発進に繋がってしまうおそれもあります。信号待ちでNレンジに入れたあと、Nレンジであることを忘れてアクセルを踏み、クルマが進まないことでNレンジであることに気づき、慌ててDレンジに入れてしまうとクルマは急発進してしまうのです。
昨今は、クルマが急な飛び出しをしそうになった際に、エンジンやモーターなどのパワーシステム出力を抑制することで急発進を防止する「誤発信抑制機能」が搭載されるようになりましたが、装置のついていない古いクルマの場合もありますし、そもそもNレンジにいれる必要性がないため、やはりNレンジでの信号待ちはお薦めできません。
コメント
コメントの使い方以前陸運事務所で昼休み休憩していたら、俺の前の車がゆーっくり前進して前の車に追突した。原因はDレンジに入れたままパーキングブレーキをかけたが当日夏日でエアコン使用中、アイドルアップしてブレーキ引きずったまま進んでぶつかったの。ATはそう言うことがある。ドライバーがパニックになってペダル踏み間違えたら突進するだろ?Nに入ってたら空ぶかしで終わるだろ?
要はそーゆー事。
普段、自分の車はMTなので妻の車を運転するときは、左手がヒマなので信号待ちなどの停車のときはNにいれますね、ハイブリッドでもないしエンジンに負担がないんだったら、今後もこのままにします
いやいや
信号待ちでNにすると燃費が良くなる…って主人が言ってたのでやってみました。
はじめてもうすぐ1ヶ月たちますが結果は今の所以前よりもリッター約4程良くなり驚いてます。
>Nレンジでは、Dレンジと違って燃料カットは入らないため、アイドリング維持の燃料を使って
これ、大嘘です。
Dレンジでニュートラル制御入った状態というのは、Nレンジに入れた状態と等価なので、燃料消費量は同じです。
下り坂でNレンジ使う話と混同してませんかね。
>オートブレーキホールド
ブレーキホールド中はニュートラルアイドル制御入らない車が多いです。
つまり余計に燃料食います。
「Nレンジでは、Dレンジと違って燃料カットは入らないため、アイドリング維持の燃料を使ってしまいます。」この文章からすると、Dレンジは燃料カットしてアイドリングが継続できることになります。ありえないことです(笑)
信号待ちでDレンジのままブレーキが緩んで前車にぶつかっている風景は見ませんか?Nレンジにしておけば防ぐことができます。信号待ちの場合は前車にぶつかる程度で済みますが、踏切の場合はどうでしょう?私は燃費云々よりも自分の命が大事です。すぐに動かない停車時は積極的にNレンジにするように癖をつけています。
「そう思わない」という人には是非理由を書いてもらいたい。ブレーキが緩んで知らず知らず前へ行っている車の多い事。
赤信号で停止線を越え、横断歩道を越え…
こんなのばかりで辟易する。
私もそう思わないの一人で、プロとして運転をしています。停止中とは言え、信号待ちや踏切待ちは周りに注意が必要な場面です、それにもかかわらず、自車が動いていることに気づかないのは漫然運転であり、ぼんやり、よそ見運転と一緒だと思います。
Nでも動くときは動きます、きつい言い方ですが、そのような方はそもそも運転するべきでは無いし、Nにしているから安全とも考えないほうがよいのでは?と考えます。
回生ブレーキ使っても100%の運動エネルギーを回収できるわけではない。ほんの一部だけ。持ってる運動エネルギーでNレンジで惰性で走った方が燃費は伸びる。
アイドリングってガソリン燃焼してるの知らないのかな。
Nに入れたら回転数アイドリングまで下がって逆に燃費悪くなる。
しかも惰性で走るから無駄なブレーキかかってパッドの消費も下がるし、チリツモ損。
信号待ちでNレンジに入れてエンジンからの駆動を切っておく(場合によりサイドブレーキかける)のは後突など事故で意識を失っても自車を暴走させないためで燃費とかの為じゃないのだが・・・
このAT車のNレンジ記事はちょいちょい見るが安全意識低いのではないかといつも思う
タイトルが信号待ちなのに下り坂でNを使ってはいけない理由を述べたり、最近の車ならほとんど実装されている急発進防止装置が実装されていない可能性を述べている半面で一部の車種にしか実装されていないオートブーレキホールド機能の活用を推奨したりと、全体的にチグハグな印象でした。
またこの手の記事!燃費が悪化しようが、Nレンチ+パーキングB+フットブレーキ(道交法違反になる為)だね!窓から蝉や蜂が飛び込んで来ても平気なの?初心者やお年寄りがフットブレーキを維持出来ず追突、若しくは慌てて踏み間違えてアクセルを踏む死亡事故もあったよね!