4月4日に発表されたクラウンクロスオーバーの一部改良。同時に登場したのが特別仕様車のLANDSCAPE(ランドスケープ)だ。クラウンに大胆なスタイルを登場させたトヨタは、当モデルのコンセプトカーを2023年の東京オートサロンに出品していた。しかし、このコンセプトカーよりも、市販化されたランドスケープに似たクルマが同じオートサロンにあったのだ。
文:佐々木 亘/写真:ベストカー編集部
■クラウンクロスオーバーのカスタムカーだらけだった2023年オートサロン
東京オートサロン2023年の前年、2022年7月に登場したクラウンクロスオーバー。変革期を迎えたクラウンで最初に市販化されたモデルとして、大注目を浴びていた。
もちろん、クラウンクロスオーバーをベースにしたカスタムカーが、数多く並んだのが2023年のオートサロン。様々なパーツメーカーが、クラウンクロスオーバーをカスタムしたのだが、方向性としては「ローダウン」と「ホイールインチアップ」という、王道カッコいいカスタムをしたクルマが多かった。
その中で、王道カスタムをしなかったクラウンクロスオーバーが2台ある。1台は、レクサス・トヨタブースに展示された‘‘CROWN OUTDOOR CONCEPT‘‘だ。今回発表されたランドスケープの原型とも言えるクルマであり、オーバーフェンダー・マッドフラップ・オールテレーンタイヤといったオフロードスタイルに、ラリーカーを思わせる追加灯火類、ルーフキャリアにヒッチメンバーと、かなりゴツゴツな仕様だ。
もちろん特別仕様車ランドスケープは、このクルマから多くの発想を得て、遊び心のあるクルマへと仕上がった。ただ、追加灯火類の影響か、どこかこのコンセプトモデルには、ランドスケープの原型感を持ちにくい。
■こっちの方がドンズバじゃない?トヨタ販売店の仕上げたクラウンクロスオーバー
メーカーと同じく、クラウンクロスオーバーをアウトドア仕様にしていたのが、宮城県に販売拠点を持つトヨタディーラーの「宮城トヨタグループ(MTG)」だった。
2023オートサロンに持ち込んだのが‘‘MTGクラウンクロス2023‘‘だ。吸排気系はノーマル、エアロパーツもつけておらず、ボディにはカーボン調のプロテクションフィルムを随所に施工。YAKIMA製のルーフキャリアとバスケットを取り付け、ラフロード用のタイヤを履いた。
カスタムカーの祭典で、クラウンにまさかのインチダウンを持ってくるのが、他社とは一味違うセンスだろう。タイヤはトーヨータイヤのオプカン(オールテレーン)で、サイズは235/60R18。ランドスケープの標準装着タイヤが245/60R18だから、かなり惜しいところまで来ている。
登場して間もないクラウンクロスオーバーに、ルーフキャリアとボックスを乗せようと考えたのは、メーカーであるトヨタとMTGだけだ。MTG出展車のムダに飾りすぎないその姿は、市販化されたランドスケープに最も近いような気もしてくる。
■カスタムカーを市販化って粋なことするじゃん!
今回追加された、クラウンクロスオーバーの新しい形「ランドスケープ」は、クラウンの可能性を大きく広げるモデルになるだろう。
また、オートサロンに出展したカスタムカーが、特別仕様車になるというなんとも素敵なサプライズは、クルマ業界全体を盛り上げるものとなった。どこか非日常を楽しむ雰囲気のあったオートサロンに、新しい見方を提供してくれるきっかけになったはずだ。
さらに、宮城トヨタグループをはじめとする、全国のトヨタディーラーの、カスタマイズに対する熱量も、改めて感じてほしいところ。トヨタとトヨタ販売店は、ますますクルマを面白くしてくれそうだ。
【画像ギャラリー】想像以上にかっこいいぜ!! クラウンクロスオーバーランドスケープを画像でチェック!!(11枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方ランドスケープの驚かされた所は、トーイングヒッチ新設やオールテレーン採用だけじゃなく一番は
国内クロスオーバーに存在すらなかった後席分割可倒とラゲッジからのスルー化で長尺物の積載可を実現させたこと。
そこまで変えちゃって、サスも違うし専用装備いろいろ付けても元グレードと15万差で市販とか異常。とても真似できないというか、できるのトヨタだけでしょうね。