最近のクルマに変化の兆しが見える
燃費のことや、エンジンの慴動部分の摩耗を考えれば、エンジン回転は低い方がいいと思うだろうし、それは基本的には間違ってはいない。
だが最近はクルマを所有していても、年間の走行距離が少ないオーナーが珍しくない。そうなるとオイル交換の間隔も開き気味になってオイルが汚れた状態での走行が多くなる。
しかも前述のように燃料を濃く噴射している状態もあり、オイルが汚れた状態での走行が長くなることは、エンジン内部にスラッジを堆積させやすくなり、油圧系のコンディションを悪化させていくことにつながるのだ。
変速機にも同じことはいえる。いくらATFの汚れはフィルターが漉し取ってくれるといっても、短時間かつ低速での走行を繰り返していると、油圧系統にスラッジを堆積させやすくなる。これは後々、トラブルの原因にもなるものだ。
そんな状況を防ぐ、あるいは改善しようと思うなら、時々はエンジンをある程度の回転数まで回し、一定の速度で巡航することだ。
これがエンジン内部の堆積物を減らし、燃焼室回りのコンディションを整えて理想的な燃焼状態に近付けてくれる。
ただし、エンジン回転数を高めればいい、という単純なモノでもない。前述のように発進加速などは負荷が大きいので、エンジン回転を高めるために燃料をたくさん噴射する。
燃料が濃い状態での走行なので、吸排気系や燃焼室にはむしろデポジットやカーボンが堆積しやすくなる可能性も高い。それに加速している時間は短いから、チョイ乗りで堆積したデポジットを溶かして燃焼させることはできない。
だからといって、必ずしも高回転域までシフトせずに引っ張って加速させる必要はない。ひと昔前のハイパワーなスポーティカー用エンジンなら話は別だが、昨今のエコカーはエンジンの許容回転数も低く、中低速重視の特性なので高回転域まで回すメリットは少ない。
エンジンの回転数は、すなわちクランクシャフトの回転している速さとなるのだが、NAでも高出力を謳うエンジンを搭載していたクルマが多かった時代は、高回転域のフィールが優れたエンジンも多かった。
だが最近のエンジンは以前ほど高回転域を重視していない。燃費や排ガス規制が厳しくなった昨今、回転数を上昇させるのは燃焼回数が増えて燃費の悪化につながるからだ。
一般的な4輪車用のエンジンではアイドリング(750rpm前後)から2000rpmあたりまでが低回転域、4000rpmあたりまでが中回転域、それ以上が高回転域となるが、エンジンが高回転型であれば全体的に回転数帯の幅が広くなると思っていい。
つまり8000rpm以上回るようなエンジンなら5000rpmあたりまでは中回転域ともいえる。このあたりは最大トルクの発生回転数や実際に使えるパワーバンドによっても変わってくる。
実はピストンが上下する速さでいえば、その頃のスポーツエンジンに負けないくらい、今のエコカーのエンジンの方が攻めている。
さすがにホンダのタイプR系NAエンジンのように8400rpm以上回るエンジンとなると別だが、高性能車でも7500rpmあたりがレブリミットであれば、平均ピストンスピードは20m/sあたりに収めるように設計されるのが常識だ。
ところがトヨタのダイナミックフォースエンジンA25FKS型(レクサスやM20FKS型(RAV4に搭載)は、6600rpmで23m/sに達する。
そのためピストンの軽量化やフリクション対策はまるでレーシングエンジン並みの仕様に仕立てられている。このエンジンは従来に比べ、ロングストローク化が図られているからだ。これは新しい傾向といえる。
コメント
コメントの使い方SEO対策なんだろうが、文章がまじで回りくどい。
特定のキーワードを入れすぎて内容が入ってない、ベストカーのドメインをブラックリストに追加っと