“羊の皮を被った狼”と呼ばれるクルマは数多く存在するが、それと同様に世の中にはぽっちゃり系のゆるかわボディなのに走りもキレる……というクルマも数多く存在する。人も荷物もたくさん載せられるのに速いのだから、もう文句のつけようもございません!
文/FK、写真/日産、ホンダ、マツダ
【画像ギャラリー】ぽっちゃり系でも走れば速い!!(14枚)画像ギャラリー軽く滑らかに吹け上がるエンジンが爽快な走りをもたらすエルグランドの3.5リッターモデル

1997年のデビュー以来、日産のフラッグシップミニバンとして絶大な人気を獲得してきた元祖高級ミニバンことエルグランド。
現在販売中の現行モデルは3代目となるが、そのデビューは2010年8月。
2026年度にフルモデルチェンジが予定されているエルグランドは2025年4月に新型のデザインの一部が公開されて話題となったが、3代目の威風堂々たるスタイリング、特別感・最高級・最上質を実感できる室内空間、クラストップレベルの燃費性能、考え抜かれた装備と取り回しの良さなどはまだまだ健在だ。
2010年8月の発表から2週間で1900台の月販目標台数を大きく上回る累計6386台を受注した3代目に搭載されるエンジンは、デビュー当初から現在に至るまで3.5リッターと2.5リッターの2種類。
なかでも、3.5リッター車に搭載された最高出力280ps&最大トルク35.1kgf・mを誇るV型6気筒DOHCのVQ35DE型エンジンは、専用チューニングによってクラストップレベルの出力特性と街乗りから高速走行まで胸のすくような走りを実現。
バルブ制御によって低回転域ではジェントルに、高回転域ではスポーティな排気音となり、心躍るような加速音を奏でることも特徴のひとつといえるだろう。
そして、このエンジンに組み合わせられるトランスミッションには6速マニュアルモード付無段変速機のエクストロニックCVT-M6を採用。
加えて、ドライバーのアクセル制御や運転状況・走行環境を検知しながら最適な変速制御を行うアダプティブシフトコントロールにより、走行性能と燃費性能の両立も図られている。
2代目まではFRが採用されていた駆動方式は、3代目では最適チューニングを施した低重心の新プラットフォームを採用したFFに刷新。
これに高剛性ステアリングや高性能ショックアブソーバーなどを組み合わせることで、安定感の高いフィーリングや高い直進性も獲得している。
ホンダならではの低床重心設計による走りの良さが際立つオデッセイ
2021年12月に日本での生産が終了し、2022年9月には惜しまれつつ販売が終了したオデッセイ。
しかし、歴代モデルの特徴でもあった超低床プラットフォームによるセダンライクな安定感のある走りとミニバンを感じさせないスタイリングを継承しながら、ユーザーのニーズに応える仕様を追加して、2023年12月に一部改良という形で華麗なる復活を遂げた。
デザインの進化、ユーティリティの進化、Honda SENSINGの機能追加と進化などが一部改良における主な変更点となったが、日常の走行のあらゆるシーンでモーター走行を中心としたパワフルかつ静かな走りを提供してくれるe:HEVもオデッセイの大きな特徴。
バッテリーからの電気によりモーターのみで走行するEVモード、エンジンの力で発電した電力で走行用モーターを駆動するハイブリッドモード、エンジンの得意領域である高速クルーズ時にエンジンと車輪を直結してエンジンの力で走行するエンジンモードを切り替えることによって、高効率な走りを実現したオデッセイ。
モーターの最高出力は135kWで、低速域でアクセルを踏み込んだ瞬間から軽快に走り出す電気自動車ライクな気持ちよく伸びる加速も十分に楽しめる。
また、ホンダならではの低床低重心設計によって心地良い走りはもちろん、運転しやすさも追求。
例えば、サスペンションはフロントに軽量なストラット式、リアに走りと空間効率を両立するトーションバーを採用。
ダンパーも小さい振動を吸収しつつ、大きな動きには減衰力を高める振幅感応型ダンパーを採用するなど、操る歓びも提供することも忘れていない。
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