超シブい本格派!! 日産 デュアリスが売れなかった訳【偉大な生産終了車】

■「キャシュカイ」での海外展開は現在も好調 日本でなぜ潰えた?

 日産デュアリス(キャシュカイ)は、その後も海外市場では2代目に生まれ変わった「J11型」が販売され、好調なセールスを記録しています。

 しかし日本市場に限ってはなぜ、デュアリスは売れなかったのでしょうか? そして販売不振の結果として、3代目のエクストレイルにあえなく統合されてしまったのでしょうか?

 ひとつには「シブ好みすぎた」というのがあると考えられます。

高い位置に配置されたセンターコンソールと、大きな面積をもつフロントガラスとが、アイポイントの高さ、開放感のある広い視界をもたらす

 デュアリスは走らせると非常にいい車なのですが、デザインにおける「華」のようなものは正直あまりなく、端的に言って地味なカタチでした。

 さらに内装も、シートの座り心地とかは大変素晴らしいのですが、印象としてはひたすら地味だったと言えます。

 また個人的には日本の道路環境にフィットするちょうどいいサイズ感だと思うのですが、一般的には「似たような価格なら、もうちょい大きいエクストレイルを買ったほうがおトクである」という消費者心理もあったかもしれません。

 そういった諸々の理由をベースに「日本ではデュアリスはやめにして、C/DセグメントのSUVはエクストレイルに一本化する」という経営判断を行ったことは、たぶん正解だったのでしょう。

ガラスルーフを備えたインテリア空間は、SUVならではの心地よい居住空間と広い荷室の実現を目指した

 しかし本質的には「当時の日産に体力がなかったから」というのが、デュアリスが日本からは消えてしまった真の理由であるはずです。

 例えばメルセデス・ベンツは、素人目には「ラインナップの無駄使い」にも思える「同クラスのSUVらしいSUVと、クーペっぽいSUVの両方を売る」という贅沢な経営を行っています。

 もしも日産もそのような贅沢経営ができたならば、「多くの人はエクストレイルを選ぶが、一部の人にはツウ好みのデュアリスを選んでもらう」という商売も成り立ったはずです。

 しかし2014年3月期通期の業績が大幅に下振れすることがわかり、当時のナンバー2であった志賀俊之COOが電撃解任されるような事態に陥っていた2013年当時の日産には、そんな贅沢は許されなかったのでしょう。

 そう考えると日本におけるデュアリスは、ちょっと不憫に思えます。

■日産デュアリス 主要諸元
・全長×全幅×全高:4315mm×1780mm×1615mm
・ホイールベース:2630mm
・車重:1420kg
・エンジン:直列4気筒DOHC、1997cc
・最高出力:137ps/5200rpm
・最大トルク:20.4kgm/4400rpm
・燃費:14.2km/L(10・15モード)
・価格:222万750円(2007年式20G)

【画像ギャラリー】発売当初の貴重なショットでデュアリスの勇姿をチェック!!

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