超シブい本格派!! 日産 デュアリスが売れなかった訳【偉大な生産終了車】


 毎年、さまざまな新車が華々しくデビューを飾るその影で、ひっそりと姿を消す車もある。

 時代の先を行き過ぎた車、当初は好調だったものの市場の変化でユーザーの支持を失った車など、消えゆく車の事情はさまざま。

 しかし、こうした生産終了車の果敢なチャレンジのうえに、現在の成功したモデルの数々があるといっても過言ではありません。

 訳あって生産終了したモデルの数々を振り返る本企画、今回は日産 デュアリス(2007-2014)をご紹介します。

【画像ギャラリー】発売当初の貴重なショットでデュアリスの勇姿をチェック!!

文:伊達軍曹/写真:NISSAN、ベストカー編集部


■ハッチバックとのクロスオーバーを目指したミドルサイズSUV

 欧州市場を中心とする世界戦略車として誕生した、比較的コンパクトでありながら本格的な実力を有するクロスオーバーSUV。

 しかしながら日本市場ではあまり売れず、エクストレイルと統合される形で(日本市場からは)消えてしまった隠れ名車。それが、日産 デュアリスです。

「駐車場に停まっていたクルマがいきなりロボットに変形するCM」と言えば、思い出す人も多いかもしれないデュアリス。その名前には「乗る人に、ONとOFF、デュアルライフでの充実を提供したい」との想いが込められた

 欧州では「キャシュカイ」という車名になるデュアリスは、それまでありそうでなかった「Cセグメント(ゴルフぐらいのサイズと車格)のクロスオーバーSUV」として2006年12月、英国日産のサンダーランド工場で製造を開始。翌2007年3月には欧州各地で発売されました。

 車台は当時の日産エクストレイルと同じCセグメント専用プラットフォームが使われましたが、ボディサイズはキャシュカイ(デュアリス)のほうがいくぶん小柄。

 キャラ的にも「エクストレイル=ハードでやや高価なSUV」「キャシュカイ(デュアリス)=ソフトで比較的手頃なクロスオーバー」という棲み分けがなされていました。

 そして同2007年の5月には日本でも「デュアリス」との車名で販売を開始。後に国内の工場で生産されることになるのですが、当初は英国で作られたものを輸入する形を取っていました。

軽快かつコンパクトな上半身と、SUVならではダイナミックさと安心感をもつ下半身を融合させた個性的なエクステリアが、デザインにおける最大の特徴となった

 日本仕様の搭載エンジンは2LのMR20DEガソリンで、トランスミッションは6速マニュアルモード付きエクストロニックCVT。駆動方式は2WDと4WDの双方が用意されました。

 日本で企画された車のような至れり尽くせりの装備や装飾は、ほぼないに等しいデュアリスでした。

 しかし、さすがは欧州で企画されただけのことはある本質的な走行性能の高さと、「ちょい小ぶりなクロスオーバーSUV」という、ありそうでなかったキャラクターが受け、当初のデュアリスは好調なセールスを記録しました。

 しかし2009年からは早くも、そのセールスは「月販数百台レベル」に低下。2010年8月にはマイナーチェンジでテコ入れをしたのですが、さほどの効果はありませんでした。

 そして結局は2013年12月、エクストレイルのフルモデルチェンジを機に車種統合の憂き目に遭い、デュアリスは生産を終了。

 翌2014年3月には在庫分も完売となり、日産デュアリスは1代限りで日本市場から消えて行ったのです。

次ページは : ■「キャシュカイ」での海外展開は現在も好調 日本でなぜ潰えた?

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