トヨタ ランドクルーザー 累計1000万台も売れた理由と実力

■復刻もされた空前のヒット作

 60系を凌ぐヒット作になり、今もランクルの代名詞となっているのが1984年にデビューした70系ランドクルーザーだ。仕向け地や生産年代によって5種類のホイールベースがあり、ショート系の2ドアのほか、セミロングとロングの4ドアモデルを設定した。

ランドクルーザー(70系)。スタイルは40系のイメージを継承しつつ、快適性、操作性などを向上させた

 また、バンタイプのほか、ピックアップも用意するなど、バリエーションは多岐にわたる。もちろん、パワーユニットとミッションも数多く揃え、後期モデルではV型6気筒も登場した。

 4輪駆動のメカニズムやサスペンションは変わっていないが、21世紀を前に、前輪にコイルスプリングを採用し、快適性を向上させている。

 ナナマル系ランクルは世界中のオフロード派やヘビーデューティ派に愛され、日本にもファンが多い。名車中の名車なのだ。そこで発売30周年を迎えたのを機に、2014年夏にアニバーサリーモデルが復活し、販売された。

2014年8月25日から1年限定で国内販売された復活モデル、ランドクルーザー(70系)

 このことからもナナマル系は実力が高いだけでなく、ルックスも魅力的であることが分かる。ちなみに、この70系ランクルにラグジュアリー装備を加え、乗り味もマイルドにするなど、ワゴン感覚を多く盛り込んだのが「プラド」だ。

■100系からはステーションワゴン系に変わる

 今につながるランドクルーザーの道を敷いたのが、1998年にデビューした100系ランクルである。80(ハチマル)系ランクルはV型8気筒エンジンやフルタイム4WDを採用するなど、プレミアム路線に舵を切り、安全装備も充実させた。その集大成モデルとして送り出されたのが100系のランクルだ。

ランドクルーザー(100系)。80系の後継として誕生した100系は、高級車としての要素も取り入れプレミアム路線に舵を切った

 海外市場を意識してV型8気筒DOHCエンジンを4.6Lまで拡大し、バンの直列6気筒ディーゼルも4バルブ化してドライバビリティを向上させている。

 進化させたのはエンジンだけではない。サスペンションは卓越した走破性と快適な乗り心地を両立させるため、4輪独立懸架に進化させた。トラクションコントロールも装備する。また、気持ちよく操れるように、ステアリングギアもラック&ピニオン式だ。電子制御のメカニズムを積極的に採用し、世界のライバルを凌駕する上質な走りを手に入れた。

 この100系ランクルを正常進化させたのが現行の200系ランクルである。プラドを含め、世界中のオフロードファン、クロスカントリー派の憧れの存在となっているのがランドクルーザーだ。日本が世界に誇るクロスカントリー4WDであり、ライバルからもキングとして崇められている。

※編集部注
 65年以上も愛され続けるランクルだが、次期型も2020年には登場する見込み。日本車随一の歴史を誇るモデルは時代に合った進化を遂げ、また新たな歴史を歩み出す

【画像ギャラリー】歴代ランドクルーザーをピックアップしてプレイバック!

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