スバルフォレスターのフルモデルチェンジから約一年。
今年4月には猛者・新型RAV4が投入されるなど、フォレスターが属する国産4WD SUV界隈は激戦区となっています。
2019年4月~9月期は、ここ数年、同カテゴリの王者であったエクストレイルを、販売台数で上回ったフォレスター。
コアなファンをもつ自動車メーカースバルが作るフォレスターは、これまでどんな歴史を辿ってきたのでしょうか。
文:佐々木 亘、写真:スバル、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】イメージスケッチから、現行型フォレスターまでを振り返る
フォレスター誕生からの歩み
フォレスターの誕生は、1995年まで遡ります。この年の東京モーターショーにストリーガという愛称で登場したSUVが、1997年に市販化されたフォレスターのコンセプトモデルです。

出展されたコンセプトモデル ストリーガ
当時、ミドルサイズSUVは、群雄割拠の時代にあり、トヨタRAV4、三菱RVR、ホンダCR-Vなどの人気ライバル車がひしめき合っていました。
その中でフォレスターは、ステーションワゴンと大型SUVの中間的な位置付けのモデルとして登場しました。

インプレッサのプラットフォームを流用し、高出力の水平対向2L ターボエンジンに、シンメトリカルAWDを組み合わせることによって、安定した力強い走りと高いオフロード性能を達成し、一躍、スバルを代表する人気車種となります。
ライバル車が、核家族でのレジャー用にクルマのキャラクターを向けていたのに対し、スバルはフォレスターを走りにこだわるキャラクターとしました。
これまで主流だったSUVの本格クロスカントリー化ではなく、オンロードでの高出力エンジン、しっかり曲がるハンドリング、動きのいいサスペンション、しっかり止まるブレーキを装備し、スポーツカーのような素性を持ったクルマにしたのです。
フォレスターファンのためのフォレスターへ

2002年に登場した2代目のフォレスターは、さらに快適にオンロード走行ができるSUVへとなりました。
元々、スポーツテイストの強いフォレスターは、初代と同様に、2.0リットル無過給エンジンと2.0リットルターボエンジンを採用。
普段の扱いやすさを狙って、エンジンは実用トルクを重視したセッティングがされました。

2007年に登場した3代目フォレスターは、プラットフォームを大きく改良しSI(SUBARU Intelligent)-シャシーを採用。
ボディサイズを拡大し、全高を強調した大型スポーツユーティリティビークルらしいスタイルへ変わりました。
強化されたシャシーによって、強みであったオフロード性能がさらに向上し、オールフィールドドライブSUVへと進化しました。

続く2012年の4代目フォレスターは、シンメトリカルAWDに統合制御システムX-MODEを組み合わせ、悪路走行性能が、またさらに進化。
予防安全支援システムアイサイトの採用や、2.0リットルターボを直噴化することで、安全性能に加え、環境性能も充実させました。
現行型はオールインワンのショーファーカーテイスト

2018年に登場した現行型(5代目)フォレスターは、新世代プラットフォームSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用しています。
静粛性や乗り心地など、走りの質感が、これまでのスバル車に比べて飛躍的に向上しており、まるで2クラス上のクルマの様な上質感を得ました。
フォレスターでは初採用のe-BOXERが設定され、2.0リットルエンジンの質感が飛躍的に向上、パワフルな2.5リットル自然吸気エンジンも用意されており、どちらも上質な走りを実現しています。

スバルお得意のアイサイトも従来の機能に加え、ドライバーモニタリングシステムを搭載し、予防安全の機能がさらに高まっています。
ちなみに、後席シートでの荷物の置忘れを教えてくれるリヤシートリマインダーを搭載しました。
SUVとして高いドライバビリティが評価されているフォレスターは、5代目になって後席のつくり込みも重視されており、ショーファーカーの要素も高められています。
まとめ
SUVという言葉で表現しきれないのがフォレスターの魅力です。
スポーツカーのような走り、ワゴンのような荷室、高級セダンのような居住スペースなど、クルマとしての高い性能を各所に備えています。フォレスターの今後のさらなる進化に注目です。