ストイックなスポーツカーではなかったが、安全にスポーツドライブを楽しめるクルマだった
フロント横置きエンジンの4WDなのに、みてくれは某イタリアン・スポーツカーに似せていたことも、不名誉なあだ名をつけられてしまった要因だろう。ピュアスポーツカーを求める人には、見向きされなかったGTOだが、強度の高いゲトラグ社製のトランスミッションや高張力鋼のドライブシャフト、大容量のブレーキシステムなど、スポーツカーとしてのポテンシャルに注目して、ベース車としてカスタムを楽しむ人も多かったし、雪国のように季節によって路面状況が変化するような地域に住んでいる人にとっては、安心してスポーツカーだった。
GTOは、乗り手を選ぶようなストイックなスポーツカーではなく、安全にスポーツドライブを楽しめる選択肢にもなり得たのだ。
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ボディサイズの割にキャビンスペースが狭く、4人乗りではあるものの、後席は実用的とはいえなかったGTO。ただ、こういうデザインコンシャスで豪華なクルマは、燃費や安全性能を優先させた現代では見ることができない。「GTO」の名は今後も語り継がれていくだろう。
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