商用車の自動運転の狙いは「ドライバー不足に対応するため」という認識で間違いないと思いますが、無人運転のトラックが普及すると、人間のドライバーはお役御免になるのでしょうか?
「それはまだまだずっと先の話では……」と語るのは長距離ドライバーのひろしさんです。前回に引き続きひろしさんに自動運転トラックに対する疑問を聞いてみました。
文/長距離ドライバーひろしさん
写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
*2026年3月発行トラックマガジン「フルロード」第60号より
電子制御化した車両故障にどう対処?
自動運転トラックといっても、今走ってる車両でさえ電子制御化によって故障が増えています。運転手がいるならば不具合の前兆みたいのを見抜ける可能性もありますが、自動運転車両、仮に完全無人車両にしようと考えているならば、故障して車両が止まったりした場合、誰が対応するんでしょう。
今走ってる車両を見る限り、そういった状況も頻繁に起こり得ると思います。故障で車両が止まるくらいで済めばいいですが、それが原因で事故や他人の命に関わる事案が起きた時に、いったい誰が責任を取るのでしょうか。その辺の責任の所在も不明確なまま自動運転自動運転と両手をあげて喜ぶのは相応しくないと思っています。
センサー頼りの自動運転トラックに対する不安
高速道路を走っていて「自動運転実験車両」を頻繁に見かけますが、センサーらしきものが大量に着いていて、それがいろいろな障害物などを検知しているんだと思います。センサーが壊れた場合どうなるんでしょうね。今でさえ雪が付いたり雨が激しかったりする日は「センサー不良」の警告ランプが点灯したりするのに、センサー頼りで周りの障害物などや車間、いろいろな物を検知する自動運転車両の実用化はなかなかむずかしいんじゃないでしょうか?
実験段階の今は車両に人が乗っています。自動運転ってくらいだから、乗ってる人は手離しで運転席に座ってるのかと思いきや、しっかりハンドル握ってますからね。すでに自動運転が実用化されている飛行機なども空に上がってしまえば障害物も無いので自動運航可能でしょうが、離発着時は人間が操作するでしょうし、大型船なども外海を運航中は自動運転でも着岸時やトラブル時は人間が操作するでしょう。クルマの場合は広い場所は限られるし、障害物の数も飛行機や船の比じゃありません。
無人運転でドライバーは不要となるのか!?
自動運転イコール無人運転とは違うのでしょうが、結局は人が乗って運行する必要があるならば、現在のオートクルーズやブレーキアシスト的な半自動運転化で良いのではないでしょうか? というよりそれしか無理なような気がします。
直近で行なわれていた関西万博でも自動運転バスなるものが100台以上走っていたらしいですが、万博が終わった今現在、不具合やら故障やらで使い物にならなく放置されているといったニュースも最近目にしました。万博期間で半年くらい使う車両でも、まともに走らない不具合が出るのに、本格的に実用化するのはかなりむずかしいのではと思います。
もしかして遠い未来に今より科学が進歩して法整備も進み、完全自動運転が可能になるのでしょうが、僕らが存在しないかなり遠い世界線での話だと思うので、世間で言われてる「自動運転化により運転手の仕事が無くなるのでは?」というような、そこら辺の心配は僕は一切してません。
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