■DATA5/安全運転サポート車促進も、平均車歴が伸び、効果は低い
近年、衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い時加速抑制装置が、続々と新車に搭載されているが、そのような安全運転サポート車による事故防止は大きな期待が寄せられている。
2020年までにはおおむねすべての新車に搭載が可能になるとの見通しが示されているが、それで踏み間違い事故は大きく減少させることができるのだろうか? 残念ながら、答えは否だ。
平成28年の事故データを基に、年齢層別・普通乗用車と軽自動車が第1当車両となった全事故を調査した結果、各年齢層に共通して事故車両は車齢が高いクルマを使用していたことがわかった。
75歳以上の高齢者に至っては、約半数の46.5%が初度登録から10年以上経過した車両で事故を起こしていた。非高齢者(64歳以下)でも41.2%となっていた。
現在市場で登録中の普通乗用車や軽自動車の平均車齢は8年以上と伸びており、ペダル踏み間違い時加速抑制装置が搭載されたクルマに買い換えが進むことだけ期待していても、事故は減ることはないと考えられる。運転者の意識改革が必要だ。
踏み間違い事故を防ぐには、駐車場などではクリープ現象を積極的に使うことと運転操作の再確認を意識することだ。急発進させてパニックに陥ると、被害を拡大させる恐れがある。何かあっても冷静に対処できるように心がけたい。
池袋の母子死亡事故などのような痛ましい事故が発生しないよう、年齢問わず凶器となり得る自動車を運転していることを自覚し、注意してもらいたい。
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