ドライビングシューズときくと、スポーツカーの運転やサーキット走行時に履くもの、という印象がある人は多いのではないでしょうか。ただ、ドライビングシューズは公道走行に適するようにつくられているもので、実は運転に苦手意識がある人にこそ取り入れてほしいもの。ドライビングシューズのよさをご紹介しましょう。
文:吉川賢一/写真:エムスリープロダクション、Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】やっぱり履物は大事!! ドライビングシューズのススメ(6枚)画像ギャラリー運転をするにおいて最適化された靴
ドライビングシューズとして欠かせない要素は、靴底が薄くフラットで、かつ滑らない素材でできていること。靴底が厚いと、繊細なペダル操作が難しくなるだけでなく、ペダルから伝わってくる情報を感じ取りにくくなります。また、靴底がフラットでなければ、ペダルを踏み替える際に引っかかってしまう可能性がありますし、ヒールがある靴の場合は、かかとが安定しづらいため、かかとを支点とするペダル操作が難しくなります。また、靴のアッパー(幅)は狭いほうが、引っかかることがなくなるため、より正確なペダル操作をすることができます。
ドライビングシューズとして販売されているものの多くは、ヒールからかかとにかけて、丸く返しがついていますが、これがあることで、なめらかで安定したペダル操作をすることが可能となります。ランニングにはランニングシューズ、ゴルフをする際にはゴルフシューズ、といったように、運転をするにおいて最適化された靴がドライビングシューズなのです。
サンダルや厚底靴では、運転操作に支障があるほか、違反とされることも
本稿の読者諸氏においては、まさかサンダルや厚底靴、ヒールのある靴で運転するということはないと思いますが、夏場になると、サンダル履きで運転席から降りてくるドライバーをよく見かけます。いつもこれ(サンダル)で運転しているし大丈夫!! とする人は多いですが、サンダル履きでなければ回避できた危険を、サンダルで運転していたばかりに、取り返しのつかない事故を起こしてしまう…ということは大いに考えられること。
また、道路交通法における明確な規定はないものの、「運転操作に支障をきたす状態」とみなされれば、道路交通法の第70条(安全運転の義務)違反となるほか、都道府県によっては、道路交通法施行細則によって明確に規制されている場合もあります。
JAFが2021年に行ったユーザーテストでも、脱げやすいサンダル履きでの運転は、ペダルの移動や操作をする際にもたついてしまい、思ったタイミングで踏み込むことができなかったり、ペダルに引っかかってしまうこともあるなど、ブレーキ操作に大きく影響があるという結果がでています。
このユーザーテストではまた、厚底靴での運転も、底が厚いことで力加減の調整が難しくなり、思ったよりもペダルを踏み込んでしまう場面があったほか、ハイヒールの場合も、つま先だけの操作になりやすいため、踏み込む際の微調整が難しくなったそう。ハイヒールでの運転は、アクセルとブレーキを踏みかえる際の支柱となる踵が不安定になりやすく、ストッキングを履いていることが多いことから、滑って脱げやすいというリスクがあるという結果もでています。
コメント
コメントの使い方