「100% BEVに」と宣言したメーカーと現在の戦略…「君子豹変す」は褒め言葉ですよ!!

国産メーカーは現時点明確な「撤回」はなし

 国産メーカーで、100% BEV化を表明しているのが、レクサスとホンダです。トヨタの佐藤CBO(当時)は2021年に「2035年までにトヨタ全体で年間350万台のBEVをつくること」「そのうちレクサスは100万台を目指す」としており、現時点も計画の変更は聞こえてきませんが、トヨタのスタンスは一貫して「敵はCO2であり、マルチソリューションで地域特性ごとにパワートレーンを用意する」であるため、今後計画の変更が発表となる可能性は大いにあると考えられます。

 積極的なのがホンダです。「2040年にグローバルでのEV/FCEVの販売比率を100%」とする目標を立てており、ホンダBEVの主力商品群とする「 0シリーズ」を、2030年までに小型から中大型モデルまで、グローバルで7モデルを投入すると発表するなど、現時点で変化はないようです。

 その他、日産やマツダ、スバルなども、「100% BEV」とは宣言していないものの、中長期的な視点で電動化計画を立案しています。ただし、電動車の括りにHEVやPHEVも含むなど、メーカー間でも温度差は大きく、それぞれがその時代の需要に応じて適宜、BEV比率を上げていくシナリオのようです。

レクサス初のバッテリーEV専用モデル「RZ」。ステアバイワイヤシステムを使ったヨーク型ハンドルも話題となった
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ホンダのBEV「HONDA e」。2024年7月に販売終了となってしまった
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「君子豹変す」は誉め言葉です!!

 2023年3月末に欧州議会は、100%BEV化の方針を軟化させ、「2035年以降も、e-fuel(合成燃料)を使用する内燃機関に限り、新車販売を認める」と転換をしました。

 振り回される自動車メーカーや、それらに雇用される人たちにとっては、この方針転換はたまったものはありません。欧州で急造されたBEV工場が、わずかな期間で閉鎖に追い込まれるなど、損失は甚大ではありますが、過ちを改めて、軌道修正していくことは必要なこと。中国の書物「易経」にでてくる「君子豹変す」は、ネガティブな意味に捉えられることも多いですが、「豹変」とはよい方向に変化するというのが正しい意味であり、本来は誉め言葉です。

 冒頭で触れた、EPPによるEU上層部への交渉はまだ結論が出ていないようですが、BEVがまったく売れない現状をみるに、全面的に方針を変えないでいられるのかは疑問。トヨタがするとおり、敵は「CO2」であり「内燃機関」ではありません。技術レベルの進歩と、庶民の生活に寄り添った、現実的な対策へと転換されることを期待したいです。

【画像ギャラリー】2024年現在、日本で買うことができる国産メーカーの主なバッテリーEVたち(14枚)画像ギャラリー

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